• 2020.07.28
  • OZ名物、ビッグ・シングス
オーストラリアにいくつもある巨大でナンセンスな物体に私が初めて出会ったのは、何年か前、メルボルンでガイド付きのウォーキングツアーに参加した時のことでした。

中央図書館の前の歩道に現れた巨大な丸っこい大文字を見て、あれは何?とガイドにたずねたところ、見ての通り、巨大な大文字ですよと彼が答えたのです。このオブジェについてもっと知りたい、何か特別な意味があるはずだと食い下がってみたけれど、それはただ単なる大きな文字なのでした。
それで私は、オーストラリアにはいろんな種類の巨大な物体があり、その日見たオブジェは都市や建築によるジョークとして生まれた、何の目的も持たない装飾物であることが分かったのです。

それ以外にも、その地域を代表する何かにオマージュを捧げてつくられた、天然や人工の巨大なモノがあります。たとえば、北部のミッション・ビーチ周辺にあるのが、この地の熱帯雨林に来たことを教えてくれるヒクイドリ。先史時代の希少なこの鳥に出会えた人は超ラッキーです。シドニー方面に向かう高速道路で車を運転している人たちを見下ろしているのは、巨大なメリノ種のヒツジ、ビッグ・メリノです。
このオブジェは、このあたりで飼育が盛んなヒツジを記念して建てられたもの。営業時間中なら、このヒツジの中に入って羊毛がテーマのミニ展示を見たり、てっぺんに昇って景色を眺めたりできます。

最後にご紹介するのは、特別な地域限定というよりオーストラリアのシンボルをシンプルに象った巨大な物体たち。たとえば、見るからに愛らしい姿で目を引くジャイアント・コアラは15メートルもあり、その高さから見下ろしてくるコアラを見ると、なるほどこの希少な動物はオーストラリアの象徴なんだなあと実感させられます。
グラスファイバー製のこのコアラは観光農園の入り口に立ち、人気の高い名所となっています。
コアラの中ではグッズやおみやげ物も販売しています。

その他のビッグなオブジェについては、オーストラリアのあるベーカリーの屋根の上に世界最長のめん棒が乗っているという記事を読んだことがあります。グレンロワンにある巨大なネッド・ケリー像は、実際にこの目で見ました。
ネッド・ケリーほど豪州の象徴と呼ぶにふさわしい人物はそうそういません。建国時代の勇猛果敢なアウトローの中でもとくに有名な存在で、当時の警察も手を焼いたほどの青年です。メルボルンから北西に向かって数時間ほどの距離にあるグレンロワンは、ネッドとその一味が目の位置に細長い穴を曲線状にあけた中世期のような金属のヘルメットなど手づくりの甲冑で武装して戦い、伝説を生んだことで知られる集落です。目抜き通りに立ち、ライフルを手に出迎えてくれるビッグ・ネッド・ケリー像の設置をきっかけとして、グレンロワンは今では、すっかりネッドに捧げられた小さな村となっています。

オーストラリアで最も有名なビッグ・シングと言えば、ビッグ・バナナは外せません。景観が美しいコフ港で、ワールド・オブ・バナナという大農園ツアーのスタート地を正確に教えてくれるのが、このオブジェです。
巨大マンゴーについての記事を読んだので、クイーンズランド州のジャイアント・マンゴーをぜひとも取材したかったのですが、少し前に盗難にあってしまいました。どうやってあんな大きなものを誰にも見られずに盗み出せたのかと、誰もが首をかしげています。

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特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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