• 2021.11.26
  • ヘルシー(?)なオーストラリア
オーストラリアは最初からサーフィンの国だったわけではありません。1950年代開催のメルボルンオリンピックでオーストラリアのライフセーバーたちが水難救助に役立つボードを装備することが取り決められ、このときサーフィンはこの国でスポーツとして認められるようになったのです。
1950年代以降、朝の出勤前や昼のランチタイム、日中に長い時間働いたあとの夜のリフレッシュなど、オーストラリア人にとってはライフスタイルの一部となったサーフィン。この国ではひとり残らず誰もがサーファー!とまでは言いませんが、サーフィンの授業がある学校も珍しくないくらいですから、サーフボードに一度も乗ったことがないという人には、なかなかお目にかかれないはずです。一般的に言ってもスポーツが広く親しまれている国なので、私自身もオーストラリア人は活発でスポーツ好きだという印象があります。
シドニーの街の公園はランニングやスポーツをする老若男女であふれ、中にはプロのパーソナルトレーナーを同伴している人も。みんな自分の体のケアをするのが大好きで、パーソナルトレーナーを雇うのも他の国に比べて安上がりなんですよ。


健康志向のオーストラリア(とくに沿岸地域)ですが、悲しいかな肥満人口は増加中で、とくに内陸部や中央地域でその傾向が強くなっています。
研究によれば、子ども人口の4分の1近くおよび成人人口の半数以上の人が肥満の傾向にあり、しかもその数は増える一方であることがわかっています。この現象に大きく関係しているのが、タバコ税の存在です。オーストラリアのタバコはバカ高いうえに、パッケージも冴えなくて人目を引くには程遠いデザイン。そのうえ、国外から50本を超えるタバコの持ち込みも禁じられています。
それだけではありません。公共高速道路でのタバコのポイ捨てや禁煙エリア(ほとんどのビーチは禁煙)での喫煙は、高額な罰金まで食らうことになるので要注意です。
ところで、オーストラリア人が絶対にやめられないものがひとつあるとすれば、それはお酒、とくにビールでしょう。
ビールを鯨飲する習慣は、ご先祖にあたる有名な囚人すなわち受刑者たちから受け継いだ、もはや伝統のようなもの。
自分たちの先祖に囚人あるいはヨーロッパからの入植者が多いことをオーストラリアの人たちは知っていますから、こんな話をしても気分を害することはないはずです。ヨーロッパ人の入植者たちのアルコール消費量は歴史上どの文化圏の人々よりも多かったと推定されています。
バーベキューしながらのおしゃべりにはよく冷えたビールは定番の組み合わせだし、仕事終わりに職場の仲間とパブで冷えた一杯というのも、お約束のようなもの。この国ではパブはとてもポピュラーな存在で、全国的に見るとパブが占める面積はオーストラリアの数ある鉱山の広大な面積をしのぐほどです!
ここでひとつ、大事なポイントを。オーストラリア人から勧められたビールを断るのは、たとえ礼儀上断ったにしてもイエローカードです。お酒がダメならノンアルを頼むのは全然アリですが、飲み物を勧められたら決して断ってはいけません。
終業後は当然のように同僚を誘って飲みに行きますし、人数分の飲み物を順番におごり合う習慣もあります。これの何がおかしいって、「人数分の飲み物(round of drinks)」が一人につき2杯ずつや3杯ずつの計算で注文することもあり、そうなると最終的にかなり飲みすぎてしまうんです!


アルコールとの付き合い方がスマートとは言い難いオーストラリア人。たとえ仕事がらみのシチュエーションでも(勤務中という意味ではなくて社交の場で)、酔っぱらいを冷たい目で見たりはしません。
とは言え、アルコール依存症は深刻な問題で、オーストラリアの先住民であるアボリジニ族の存続を脅かすほどの危険をはらむものになっています。
ノーザンテリトリーの一部の地域では、公共の場所における酒類の販売禁止という異例の措置に踏み切りました。これは、アルコール消費量の増加を主な原因として、アボリジニ族をはじめとする人々に暴力事件や軽犯罪が急増したことを受け、地域住民が強く求めたことに対応した措置です。

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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