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  • 2022.04.01
  • カラフルなマルディグラ
先週末、マルディグラのパレードを見にシドニーの繁華街へ行きました。
マルディグラ(別名はファット・チューズデー(肥沃な火曜日))とはレント(四旬節)が始まる直前の火曜日のことで、お祝いイベントが開かれ音楽やおとぎの国から出てきたようなフロート(山車)が街にあふれる、欧米では一般的な祝日です。
ファット・チューズデー・パレードは、オーストラリアでも最も重要で、特にしっかりオーガナイズされた、気軽で開放的なイベント。この種のイベントの話をする時、ここで言うオーストラリアとは、東南アジアを含めた一帯を指しています。ワクワクしながら楽しめるだろうという予感は行く前からありましたが、「融合」という言葉の本当の意味を実際にこの目で確かめることができた今、デスクの前で感想を書いておきたいと思います。

最初に言いたいのは、パンデミックと制限だらけの2年を経た後で、こんなに開かれたイベントに参加できたのは最高だったということ。今のところ、このパレードが私にとっての2022年のハイライトになっています。
シドニー・マルディグラ・パレードでは、フロートとダンスと音楽、そして着飾った人々の行列がシドニーの主な通りを練り歩きます。パレードが街の中心を通って郊外の広大な公園にたどり着いたら、フロートを止めて夜のパーティの開幕です。
毎年、大量のパーティ大好き人間が集まるこのイベントですが、今年はパンデミック以降初めての開催でした。
カーニバルとその関連イベントは、全体として3週間近くにわたって行われます。そのすべてのフィナーレを飾るメインアトラクションが、フロートが登場するこのパレードというわけです。
このフロートには年ごとに異なるテーマが与えられ、そこにはいつも政治性の強いメッセージが込められています(今年のタイトルは”United We Shine/団結して輝く私たち”)。
パレードの参加者は、テーマに沿った格好をするのがよしとされます。フロートのスポンサーも千差万別で、あらゆる人種や宗教を代表する団体が揃っているため、すべての人を一つにするというメッセージが伝わってきます。冒頭で「寛容」ではなく「融合」という言葉を使ったのも、私が目撃したものがまさにそれだったからです。選択の自由と個人の幸福の権利を支持し、バルコニーから外を眺める高齢の女性やこどもたち、パレードする人々と通りの端からハイタッチを交わし笑顔で見送る様々な肌の色の人たち、ペナントやカラフルなバンダナを身に着けてイベントに来られた喜びを表す年配のカップル。
「メンバーシップ」ではなく「幸福」という言葉を選んだのも、人は自然の状態よりも大義に忠実であっていいはずだから。あと「同胞愛」というのも、やはりこの目に焼き付けられました。
先に触れたとおり、パレードには様々な集団がいて、ユダヤ人コミュニティのメンバーもいれば完全無神主義者の支援団体の人もいました。その行列のすぐ後ろに、カトリックの宗教的シンボルを堂々と飾り付けたトラック、続いて色鮮やかなトラック、その後ろに地元警察の車がぴったりくっついて前進しているのです。
シュローブ・チューズデーともマルディグラとも呼ばれるこのお祭りは、とにかく開放的なパーティでした。
ここオーストラリアではこのパレードに対して、プライド・パレードという名称を使いませんが、個人的には自己満足的な意味合いをもつ呼び方だと思っています。社会のある集団とそれ以外を隔てる違いを強調することは、無意識のうちにその集団を疎外してしまう最も危険な行為であり、何よりも融合を遠ざけるものです。
私が見たマルディグラ・パレードは論議も検閲もなく、きわめて自然であらゆる人が楽しめるものでした。
たとえば歴史的文化的観点から見れば、この国にはヨーロッパに対する羨望が強くあります。旧大陸との経験値の差は歴然としており、たかだか200年の歴史だけでは埋めることはできません。でも、寛容さや基本的人権の尊重、国家としての世俗主義、そして開放的な精神に関しては、私がこれまで訪れたどの国にも引けを取らない国なのです。
フォトギャラリー(撮影は友人のジョシュ・クラーク)


特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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