• 2022.08.05
  • 2022年7月、シドニーの大洪水
この7月に数週間にわたってニューサウスウェールズ州を襲った豪雨は、ここシドニーを中心に甚大な洪水の被害をもたらしました。
シドニーのほとんどの道路は冠水のため閉鎖され、避難していない住民に対しては自宅待機と自動車利用禁止が指示されました。
被害総額は数十億オーストラリアドルにも上ると見られ、農業、建築、インフラなどに巨額の損失をもたらしています。
オーストラリア最大の都市シドニーでは、複数の地域の住民数千人に洪水のため避難指示が出されました。
シドニーは今年3月にも豪雨に見舞われて壊滅的な被害を受け、十数名の死者が出たばかりなのに、7月にはさらに事態が深刻になっています。

ここ数週間の雷雨のため、当局が地域住民を避難させる前にシドニー南西部のダムが決壊し始めました。
特に被害が激しかった近郊地の一つがカムデンで、救助隊は多くの人々の救助にあたりました。
ニューサウスウェールズ州では緊急事態を宣言してヘリコプターを出動、自宅や海岸、森林で人々を救助しました。
この豪雨のせいで木々は根こそぎ倒れ、ボートは岸に打ち上げられ、いたるところで被害が生じ、洪水が発生しました。
幸いにも私の住んでいるエリアは被害を受けませんでしたが…、いつまでそんな悠長なことを言っていられるでしょう。
気候変動による世界的な影響は、オーストラリアにも大きく及んでいます。気候は予測不可能で恐ろしいものになりつつあります。
私はその変化を目の当たりにしてきました。この国に住むようになってからというもの、天候は変化し続けており、干ばつや山火事と洪水の増加が交互に起きています。
オーストラリア政府は洪水の被災地への支援を行っていて、今後もニューサウスウェールズ州政府と協力して、被害に遭った住民を支援していく予定です。
また、シドニーは、気候変動に対して行動を起こし、排出物を削減するために市の資源を投入することを決定しました。
気候変動の危機は予想をはるかに上回るスピードで進行していて、対応できる時間はどんどん少なくなっています。たいへんな緊急事態だというのに、多くの国がこの問題を見て見ぬふりをしているのが現状です。しかし、ついに何かが動き出しました。汚染物質対策に取り組む多くの国々や都市にようやくシドニーの名前が加わり、排出量の削減計画を立案したのです。

この計画というのは、都市の資源を投入してCO2の排出量を削減し、環境負荷を最小化しようというもの。宣言には象徴的価値が高いですが、何より、環境の非常事態を食い止めるための具体的な対策をとることが前提になっています。
シドニーは、2024年までに二酸化炭素の排出量を70%削減するという目標を達成する計画です。
オーストラリアにとって、地球温暖化対策への取り組みは喫緊の課題です。実際、長年にわたってこの国は平年をはるかに上回る異常な高温に対処せざるを得ず、火災や干ばつに泣かされてきました。
気候変動の影響は、オーストラリアの経済にも深刻な損害をもたらすでしょう。海面の上昇、干ばつがますます長期化して、それに伴う農業生産の破綻により、年間数十億オーストラリアドル もの損失が発生すると予測するモデルもあります。
オーストラリアは非常に広大な大陸。洪水は広範囲で発生してはいるものの、国としては実は比較的狭いエリアに限定されています。
メルボルンやウルルなど、国内の一部の観光地は今回の気象現象による被害を免れました。が、すでにお話したように、気候変動の影響が及ばない場所なんてどこにもありません。
通常、南東部に位置するシドニーの夏は若干涼しめで、冬はずっと気温が下がります。
一年のうち7月と8月が最も寒く、通常ですと1月が最も気温が高くなります。

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 年齢午年
  • 性別
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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