• 2024.03.15
  • 多様性を祝福するカーニバル
わずか2500万人という、比較的人口が少ないオーストラリアで、世界でも最大規模の有名な祝祭が開催されています。
こうしたイベントは、オーストラリアの文化や歴史を祝うだけでなく、たとえ各自のバックグラウンドは異なれど、友達や家族とともに過ごす良い機会でもあります。
これぞ、オーストラリアです!

例えばシドニーで開催されるカーニバルは、通常よりもずっと長い期間に亘って催され、内容も全く異なります。LGBTQ+の人たちの文化や多様性を讃えるこのイベントは、「シドニー・ゲイ・アンド・レズビアン・マルディグラ(Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras)」とも呼ばれ、ディスコ・ナイトや展示会、パレード、ドラァグクイーンたちが参加するお祭りなどが行われます。
マルディグラにドレスコードはありませんが、参加者もド派手な衣装を身に着け、居並ぶドラァグクイーンたちと競い合うようお勧めしたいところ。会場では胸元が大きく開いたドレスやボディペインティング、カラフルなフェザーボアなどをまとった人たちをたくさん見かけるはずです。
このイベントでは派手な衣装が欠かせません。LGBTQ∔の活動を支援するため、あるいは単に楽しむために、たくさんの人が参加します。
パレードは文字どおり喜びと色彩、そしてお祝いムードに溢れ、盛り上がりはシドニーをはじめとするオーストラリアの主要な数々の都市へと広がります。ニューオーリンズの伝統行事から発想を得て始まったオーストラリアのマルディグラは、多様性と包括性に敬意を表するお祭りなのです。中でもシドニーは世界でも指折りの規模と知名度を誇るプライド・パレード(Pride Parade)の開催地として知られ、創造的な山車やパフォーマンスを見ようと多くの人々が押し寄せます。
祝祭ではパレードにとどまらず、パーティやコンサート、愛と多様性を讃える文化イベントも催されています。オーストラリアのマルディグラの熱狂的な雰囲気は、世界で最も開放性と寛容性に富んだこの国の社会を映し出しているように思います。
シドニー・マルディグラのパレードは、年々増加する見物人を魅了する3週間の祝祭の盛り上がりが最高潮に達する瞬間です。毎年、強い政治的メッセージを発信しながら、カラフルな山車とパフォーマンスを引き連れた全長2kmにも及ぶパレードがオックスフォード・ストリートからフリンダース・ストリートまでを練り歩きます。
このイベントは、1978年6月24日にシドニーで開催された同性愛者の権利を訴えるパレードから発展しました。
この日、地元のLGBTQ∔コミュニティのメンバーがオックスフォード・ストリートに集結し、平等な権利の承認、雇用や住宅取得などにおける差別への反対、反同性愛法の廃止、すなわち同性愛者に対する法的迫害の撤廃を求めてデモ行進を行いました。このイベントには数千人もの人が集まりましたが、警察の介入によって中断され、多数のデモ参加者が逮捕されてしまいます。1981年、このイベントは開催時期を2月に変更し、「シドニー・マルディグラ」という正式名称が与えられました。
参加者・観客ともに大幅に増加し、その後多くのシドニー・マルディグラのパレードの舞台となりました。年ごとにテーマが定められ、参加者はそれに沿った出で立ちで集まるよう呼びかけられます。
オーストラリアではこの時期は夏にあたるので、正直なところパレードの参加者はたくさんの衣装を身にまとっているわけではありませんが、とても格好よくて楽しい眺めであることは確かです。
私がこれまで行ったことのある都市の中でも、シドニーは様々な国の文化が最もうまく融合されている街だと思います。ここでの「インクルージョン」とは、性的指向や宗教、人種、倫理的な価値観など、多くの意味を持っています。

また、旧正月には、シドニー・タウンホールからチャイナタウンまでを色鮮やかな山車や龍舞、衣装を着飾ったパフォーマーやダンサーなどが行進するトワイライト・パレードが開催されます。
このお祭りは、壮大なオペラハウスの上空に打ち上げられる花火でクライマックスを迎えるのが通例なのですが、これはまた次回のブログでお話ししましょう!

特派員

  • アルベルト フェランド
  • 職業土木技師

みなさんこんにちは!私はイタリア出身ですが2012年からオーストラリアのシドニーで土木技師として働いています。
趣味は、海岸沿いの散歩、サーフィン、写真を撮ることです。
旅行が好きで、以前はブログを書いていたこともあります。
私はシドニーを拠点としており、アウトドア派でローカルイベントにも詳しいので、皆さんにシドニーの素晴らしさを知っていただければ光栄です。

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