• 2017.12.13
  • 5、4、3、2、1 ...マジック!
光と色の世界に包み込まれたロックフェラー・プラザには大勢の人が詰めかけ、通りの角はどこもいっぱいです。ニューヨークの星空のもと、世界一美しくライトアップされる毎年恒例のロックフェラー・センターのクリスマスツリーの点灯をみんなでカウントダウンするのです。
とはいえ、この世界最高峰の華やかなイベントであるロックフェラー・センターのクリスマスツリー点灯式の最後に行われる、一番のハイライトは5秒もあれば完了してしまいます。
カウントダウンは毎年サンクスギビングデー(11月の第4木曜日)後の最初の水曜日に行われますが、クリスマスツリーは1月まで点灯しています。 このカウントダウンの後、ニューヨークは一変します。クリスマスツリーとロックフェラー・プラザは何千個もの電球でライトアップされ、音楽やクリスマスキャロルが5番街や6番街のあらゆる所で鳴り響き、ニューヨークに訪れたクリスマスをカメラのフラッシュや拍手、笑顔が出迎えます。



私はロックフェラー・センターのクリスマスツリー点灯式を何度も見に行きましたが、毎回その魔法に魅了されます。
ツリー点灯式の当日は、NBC放送でいつもアル・ローカーが出演する全国ネットの2時間にわたる生中継番組があって、その後の夜9時ちょうどに3万個以上の電球が世界一有名なツリーを彩ります。ツリーは50kmの電飾ワイヤーと、100万面以上のファセット(切子面)が施された25,000個のクリスタルでできた重さ250ポンド(約113kg)の見事なスワロフスキー・スターで飾られていて、このスターは100万ドル以上もします!
点灯式の最中にはラジオシティミュージックホール(ロックフェラー・センターの角にある)を拠点とする有名ダンスグループのロケッツや、知名度のある歌手、アイススケーター、その他のセレブたちが場を盛り上げるのが恒例です。
昨年は幸運にもスワロフスキー・スターを間近で見ることができ、その輝きを思う存分楽しむことができました。モミの木からそれほど離れていない広場のほぼ中央に設置されていたのですが、とにかく圧倒されました! ロックフェラー・センターのクリスマスツリーは、世界的によく知られているアイススケートリンクの目の前にそびえ立っています。壮大なロックフェラー・センターは5番街屈指の美しい場所にあり、ロックフェラー・センターにあるビル群(全部で19棟)のひとつの正面には有名なアトラス像が設置されていて、通りの反対側にはクリスマスのミサで名高いセント・パトリック大聖堂があります。


このクリスマスツリーには80年を超える伝統がありますが、毎年、新しい木が切り倒されて広場に設置されます。高層ビル群の中でも堂々とそびえていられるような巨大なダグラスモミが毎回登場します。
このクリスマスツリーの伝統が始まったのは1931年のことで、建設作業員が広場の中央に最初のツリーを立てたのと同じ場所に今もツリーが設置されています。
最初のツリーは花輪と小さな起爆装置から抜き出したアルミニウム片で飾られていました。高層ビル群の建設中で作業員が現場を解体するのに使っていたものです。このツリーに関する逸話は、最初のツリーを選んだ移民のひとりの息子によって記されています。1901年にイタリアの貧しい町からやって来た若者は、学識はありませんでしたが成功への意欲に燃えていました。それには非常に危険な条件での作業が待ち受けていたにもかかわらずです。


実は最初のツリーが誕生したのは、主にイタリア系移民が大恐慌のさなかに職にありつけたことを神に感謝したいと望んだことがきっかけでした。 この目的にふさわしいツリーを見つけるために、専任の作業員たちがセレモニーの始まる何カ月も前からたくさんの州をめぐり、何百本もの木を試します。
必要なモミの木は少なくとも高さが75フィート(約23m)、直径が45フィート(約14m)はなければいけません。選び抜かれた木は10月の終わりに切り倒され、巨大なトレーラーで目的地まで運ばれます。

特派員

  • クラウディア・ ディアス
  • 職業ニューヨーク大学教授

私は、ニューヨーク大学でスペイン文学と演劇の教授をしていますが、もともとはカリフォルニア出身です。余暇には長い時間散歩をするのが好きです。ニューヨークでは常になにか新しいものをあちこちで見つけることができるので、それが本当に大好きです。この街のお気に入りの季節は秋です。秋にはセントラル・パークの紅葉が素晴らしく、私の大好きなハロウィーンもあるからです。
私のブログを通してみなさんにニューヨーク市と、私の住むブルックリンに興味を持っていただきたいと思います。また、ここに住む人間の目から見たビッグアップルについての新たな視点を紹介したいと思います。

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