• 2018.07.19
  • ニューヨークシティのアーミッシュ文化
ニューヨークシティやニューヨーク州の話をするとき、真っ先にアーミッシュ文化を連想することはないと思いますが、現在、このエリアには1万人以上のアーミッシュが暮らしていて、1970年代からずっとその存在感は大きく高まっています。
アーミッシュの先駆者集団がニューヨーク州北部のルイス郡に住み着いたのは1800年代の終わりのことで、その後、多くのアーミッシュが移住して来ました。
ニューヨークでちょっと遠出するなら、市内近郊のアーミッシュの集落がおすすめです。また、時間に余裕があれば、隣接するペンシルベニア州内の大規模なアーミッシュカウンティ(ランカスターにあるアーミッシュの居住地)を見に行くのもいいですよ。
これらの興味深いエリア(ペンシルベニア州、ニュージャージー州、ニューヨーク州を含む)では最近、馬車を自動車の規制に従わせようとする試みがあり、これをこの宗教的コミュニティが真っ向から拒否したため、ここ数カ月対立が続いていました。
対立のきっかけとなったのは、小さな郡の行政機関が宗教団体、アーミッシュが使用している馬車に、自動車と同じ規制を適用することを提案したことです。この提案は交通事故や死亡事故を減らすため、アーミッシュに運転免許証の取得と、安全ベルトおよびバックミラーの使用を義務づけるというものでした。ところが、さまざまなローカルメディアの報道によると、この提案はアーミッシュのリーダーにとっては自分たちの伝統的価値を侵害するものとなります。そのため、郡議会はこの提案を排除したそうです。


アーミッシュはアメリカを拠点とするキリスト教宗教運動のメンバーで、キリスト教の中でも最も保守的な教派のひとつです。
現代的なものや技術進歩を採り入れない生き方を選び、質素な田舎暮らしを営んでいます。彼らの考え方に基づけば、これは物質的な誇示を避けて宗教的に生きるための現実的な方法なのです。
アーミッシュの集落はまるで時間が止まってしまったようです。というのも、家並みは素朴で車はまったく走っていません。彼らが使うのは馬車ですし、服装も18世紀に先祖が身に付けていたものと同じです。
子供たちは高校までは普通に学校に通いますが、それ以上の教育を受けることはありません。アーミッシュの子供の学力平均は米国一ですが、彼らの生活はコミュニティの維持が最優先で、教派のリーダーが定めた規律のもとで暮らしています。


そんなわけで、ニューヨーク州でアーミッシュを見かけると、とても風変わりに感じるかもしれませんが、この巨大都市のすぐそばにある農村地域で彼らは間違いなく生活しています。
アーミッシュのコミュニティ(ニューヨーク州にあるものを含む)の中には、ティーンエイジャーが16歳(アーミッシュの伝統では善悪の判断がつくと考えられている年齢)になると、ラムスプリンガという期間を設けて、交流や娯楽への参加の自由を与えるところもあります。
多くの子供たちはコミュニティを離れて大都市(ニューヨークシティを含む)にやって来ます。そしてこの期間に、アーミッシュの信仰から離脱するのか、メノナイトとして生きるのか選択します。メノナイトになると、アーミッシュの主要な価値観をそれなりに維持しながら、高等教育や仕事のキャリアを追求することができます。
アーミッシュの伝統を完全に放棄して大都市に移り住み、より「モダンな」ライフスタイルを始める人もいますが、不幸なことに、こうしたケースでは大半の人が生まれ育った家族から絶縁されてしまいます。
アーミッシュは保守的で電気を使わないので、テレビを見ることも、インターネットを使うことも、電話を持つことも、現代的な洋服を着ることも、自動車を利用することもありません。また、絶対的平和主義を公然と貫いているため、兵役も拒否しています。日々の畑仕事でも近代的な機械を使おうとはせず、自分たちが生産したものか、刺繍品、キルト、服などの手作り品を売って生活しています。

特派員

  • クラウディア・ ディアス
  • 年齢午(うま)
  • 性別
  • 職業ニューヨーク大学教授

私は、ニューヨーク大学でスペイン文学と演劇の教授をしていますが、もともとはカリフォルニア出身です。余暇には長い時間散歩をするのが好きです。ニューヨークでは常になにか新しいものをあちこちで見つけることができるので、それが本当に大好きです。この街のお気に入りの季節は秋です。秋にはセントラル・パークの紅葉が素晴らしく、私の大好きなハロウィーンもあるからです。
私のブログを通してみなさんにニューヨーク市と、私の住むブルックリンに興味を持っていただきたいと思います。また、ここに住む人間の目から見たビッグアップルについての新たな視点を紹介したいと思います。

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