• 2017.07.13
  • 最高傑作が集結する大英博物館
地下鉄のラッセル・スクウェア駅そばにある大英博物館は、ロンドン屈指の重要観光地というだけでなく、世界最大級かつ最も評価の高い博物館でもあります。

創設したのは内科医で科学者のハンス・スローン卿で、彼は1700年代に7万点を超える膨大なコレクションを国に寄贈しました。
1753年6月7日、国王ジョージ2世は大英博物館創設を公式に承認し、世界初の公共博物館が誕生することになりました。
博物館の基礎は2つの図書館と当初のスローン卿のコレクションで構成されていて、中世の写本類や重要な羊皮紙の非常に貴重なコレクションは後に王室図書館に収められることになりました。
また、この基礎コレクションには希少価値の高い図書もたくさんあり、これらは後に大英図書館に移されました。

第二次世界大戦中、パルテノン神殿の彫刻をはじめとする博物館内の最も貴重なコレクションはより安全な場所へ移動され、ロンドン空襲後すでに修復されていた館内に戻されたのは、戦争が終わってからだったことはよく知られています。
1970年代に議会法によって大英図書館の建設が承認されると、当時、博物館で展示しきれなかった希少な写本類や重要図書はこちらに収められるようになりました。

こうした膨大で豊富なコレクションを収蔵するためには、それにふさわしい気品のある建物を探す必要があります。そこで、市は資金集めのイベントを数多く開催し、現在、博物館があるモンタギュー侯邸の購入に必要な資金を調達しました。
この建物は17世紀後半に、フランス大使だったモンタギュー侯が建てたものです。
改装された大英博物館は、巨大なポーチで彩られた新古典主義建築の建物で、完成までに20年を超える年月が費やされました。

大英博物館(The Britishと呼ばれている)には、メインホールの中央にグレートコートという広大な四角い中庭があり、ヨーロッパ最大の面積を誇る巨大なガラス天井で覆われています。
グレートコートの真ん中には、100万冊の蔵書を収納できるよう設計された円形閲覧室があります。
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円形閲覧室
この閲覧室はかつては大英図書館の一部でしたが、1800年代後半にこちらに移設され、開館しました。
無料公開されているので、誰でも書架にある蔵書を見ることができます。
この博物館のすごいところは何と言っても、すべての来場者が無料で常設展へ入場できることです。一方、特別展は常に有料です。

現在、大英博物館には太古から現代までの人類の歴史と文化を象徴する600万点におよぶ所蔵品が展示されています。年間来場者数は600万人を超え、観光客だけでなく地元の人たちも大勢訪れています。
コレクションには世界一有名な文明の遺物もあり、エジプト、アッシリア、バビロニア、ギリシャ、ローマ、アラブ、東南アジア、中国、ヨーロッパのものが含まれていますが、これらに限定されるわけではありません。

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ローマの美術品
博物館はとにかく巨大な建物で、張り出し部分もいくつかありますが、展示スペースは逼迫しています。ですから多くの美術品は館内地下に収納され、ローテーションでときどき展示されるのみです。

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アッシリアの美術品
ロンドン市も同市民も大英博物館をとても重要視していて、毎日、かなりの数の学生が展示品と触れ合いながら、絵を描いたり、調べ物をしたり、歴史を学んだりするためにやって来ます。(もちろん、本当に手で触れるわけにはいきません。そんなことをしたら警備員に大目玉を食らいますから。でも、展示品を本当に間近で見ることができますよ。)

博物館にはコインや古代の紙幣、メダル、絵画、石版画など、価値の高い歴史的発掘品が収蔵されています。
桁外れに豊富なコレクションなので、たとえ数日間費やすことができるとしても、すべての展示品を見て回るのは実質的に不可能です。しかも、手に入る情報満載の資料をすべて読み、理解しようとすればなおさら大変ですし、時間もかかってしまうでしょう。
そこで、私が最も興味深いと思う展示品の簡単なリストを以下に掲載してみました。

–仏陀の模写
–エジプトのミイラと石棺
–吹きガラスの最高傑作で侯爵(Duke)とも呼ばれるポートランドの壺
–古代世界の七不思議のひとつであるハリカルナッソスのマウソロス霊廟の遺物
–エフェソスのアルテミス神殿の遺物
–ロゼッタストーン
–パルテノン神殿の彫刻
–時計室
–オクサス遺宝
–ワインの神であるバッカス神、ヘラクレス、その他のローマ神話の登場人物を描いた銀の大皿
–アフロディテの胸像

そして、日本由来のものとしてはサムライの甲冑コレクションが素晴らしいですよ!


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エジプトの美術品




特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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