• 2017.11.27
  • オルタナティブなロンドン
カムデン・タウンがロンドンのどこよりも活気に満ちた、興味深い場所のひとつであることは間違いありません。
カムデン・タウンは「タウン」と呼ばれている割に、ロンドン市内でもそれほど大きなエリアではありませんが、とにかく個性豊かです。
同名の地下鉄の駅があって、中心地まで連れて行ってくれるので簡単にたどり着けます。
地下鉄の駅を出るとそこはもう賑やかなカムデン・ハイ・ストリートで、昼夜を問わず私がこれまでロンドンで見た中で最も活気のあるストリートといっても過言ではありません!
風変わりなショップや騒がしいパブ、あらゆる種類のエスニックレストランに囲まれたこの場所にいると、威勢のいい雰囲気を感じずにはいられません。
丸1日が無理なら数時間でもこのエリアで過ごす価値はあります!
ロンドンといえば自由なファッションや大胆なイメージが強いのは、このエリアが何十年にもわたってトレンドを生み出してきたおかげです。
なんといってもロンドンはオルタナティブ・シティーですから。
カムデン・タウンは明らかにイギリスで最もオルタナティブな(主流ではないもうひとつの)エリアです。

ここは若きシンガーのエイミー・ワインハウスが暮らし、亡くなった場所であり、ピアスを開ける店やアフリカの編み込みヘアができるサロンのすぐ隣にアートギャラリーがあるような所です。
マーケットストリートの屋台は通常、火曜日~日曜日の朝から夕方までオープンしていますが、何度も足を運ぶうちに、多くの屋台は有名なマーケットが開かれる週末以外、すべての商品を並べようとはしないことに気が付きました。
毎週末、土曜日と日曜日は公式なカムデン・マーケットが開催されるのでお勧めですが、屋台を歩き回って、それまでその存在さえ知らず、自分でも気付かなかった好みの品を買うためには数時間は必要です。
圧倒されるような売り込みに慣れ、自由に見て回るには数時間かかりますし、ここにある世界中の料理のどれかを試さないうちは、訪問の目的を達成したことにはなりません。
私はカムデン・タウンの派手な色彩感覚や、ストリートを歩き回る人たちの個性にとても魅力を感じます。
パンクからゴシックまであらゆるタイプのサブカルチャーがここにはたくさんあります。
70年代にはパンクムーブメントとカラフルなスパイキーヘアのメッカとなり、それ以来イギリスの首都で最も訪問者数の多い場所のひとつとなっています。
現在のカムデン・タウンのストリートには、あらゆる種類の品物を探しに来た学生や観光客が押し寄せています。
ここにはタトゥーショップやピアスを開ける店もいっぱいあって、価格はどこよりも安いので、これらを希望する人にはぴったりの場所でもあります。
カムデン・タウンにはロンドンの他のエリアとは比べものにならないようなエキセントリックな「生物」が生息しているので、クレージーでユニークな雰囲気が立ち込めています。
カムデン・マーケットはロンドン北部にある巨大なマーケットで、世界一有名なマーケットのひとつでもあります。1970年以降、数百軒のカラフルな屋台によってカムデン・タウンの街並みは活気づき、迷路のような街並みが作られていきました。
カムデン・タウンの歴史はとても古く、もともとはテムズ川を使った交易や物資運搬の拠点としてカムデン・ロックの運河の岸辺に作られた村でした。1820年に設計・導入された一連の水門は今でも見ることができます。
最初に出店したショップやパブのおかげで経済が活性化されると、このエリアはあっという間に人気が出て、人が密集するようになりました。
多くの人(特に学生や若者)にとってカムデン・タウンはロンドンの真のスピリットであり、お高くとまった王宮や高級デパートとはかけ離れた存在です。ここは人種やスタイルなど、さまざまな文化のるつぼで、オルタナティブなロンドンを知りたい人や「既成概念にとらわれない」考え方をする人の判断基準にもなっています。私はカムデン・ロックの運河沿いを散歩するのが特に好きです。
洋服、本、食べ物、アンティーク、多種多様な変わった品など、ありとあらゆる商品を手頃な価格で見つけることができます。他にはないプレゼントのアイデアがひらめくので、プレゼントを買わなければいけなくなるといつもここへ来ます。質のいい中古品を売る屋台もたくさんあるので、ヴィンテージファンにとってはパラダイスのようなマーケットでもあります。
運河を見ると私はアムステルダムが頭に浮かびますが、奇妙なショップはロンドンならではです。
このエリアにはエスニックフードの屋台が20世紀始めからありましたが、ここ数年でますます増え、今では(ロンドン市の多民族意識の高まりを背景に)原産国以外ではここでしか食べられない料理まで出てくるようになりました。
ロンドンは正真正銘のるつぼです!
カムデンのナイトライフを盛り上げるのは、選りすぐりのさまざまな生演奏を聴ける数多くのスポットで、個人的にはリージェンツ運河を見渡せる店が好きです。バーの選択肢は膨大で好みの店を見つけるのに苦労することもよくありますが、カムデンは民族意識と文化が正に絶妙なバランスで融合しています。中にはファンキーでレトロなバーもあり、新進気鋭の才能豊かなミュージシャンによくめぐり会えるのはこういう昔ながらのパブなのです。














特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

ジャンフランコ・ ベロッリの記事一覧を見る

最新記事

おすすめ記事

リポーター

最新記事

おすすめ記事

PAGE TOP