こんなイベントがこの街で行われるとは本当に驚きです。なにしろ、外国由来の花がほとんどですからね。
チェルシー・フラワーショーは最も権威のある世界最古の花の博覧会で、王立園芸協会(19世紀に設立されたイギリスの有名な園芸組織)によって毎年開催されています。
協会はイギリス各地に4つの植物園を非営利で運営しています。
この花博の構想がイギリス貴族の間に広まりだしたのは19世紀の初め頃でした。 最初の花の博覧会はチズィックで開かれ、それがチェルシー・フラワーショーへと発展したわけですが、新しいコンセプトが生み出されて海外の栽培者にも参加を呼びかけるようになったため一段と重視されるようになりました。
園芸業界最古かつ最大の来場者数を誇るフラワーショーは、毎年5月(たいてい月後半)の火曜日~土曜日に、王立園芸協会とヨーロッパ内外の大勢の花の生産者によって開催されます。
ロンドンの夏の社交シーズンで最も重要なイベントのひとつとされているのは、植物的な観点からだけではありません。このイベントには貴族、俳優、歌手、有名な専門家や銀行家など、イギリスで最も影響力のあるメンバーもやってくるのです。
チェルシーのショー
1913年に第1回チェルシー・フラワーショーを開催し、草木や花の展示を称賛したのはメアリ王妃自身でしたが、今なおエリザベス2世がこの伝統を受け継ぎ、毎年一般公開の前日に訪れています。
ロイヤルファミリーはたいてい王室関係者を同伴し、大人数のグループでガーデンを回るので、ショーは一般公開前日の月曜日に内覧会の形で開幕し、この日は幸運な少数の来場者とロイヤルファミリーだけの貸し切りとなります。
会場はチェルシー王立病院の広大な敷地内です。
通常このイベントには、伝統的なものから現代的なものまで、また民族的なものや持続可能なものなど、王立園芸協会のきめ細かな指導による世界最高峰のガーデニングを一目見ようと毎年10万人以上が訪れます。
チェルシー・フラワーショーは異なる特徴を持ついくつかのセクションに分かれています。新たな見ごたえのある展示や、古典的または超現代的な要素で満ちあふれた伝統的な、また時代を象徴するようなプロジェクトが毎年提案され、現代的なランドスケープデザインの模範例となっています。
専門家の審査員(植物学者、大学教授、庭師、ガーデンデザイナー、建築家)は毎年、さまざまな部門で金・銀・銅メダルを授与し、ショーのベストプロジェクト(ベストショーガーデン賞)やその他の特別賞も発表します。
最重要部門はなんといってもステージガーデン(ショーの目玉)で、毎年 ガーデニング分野の最新かつ重要な経験が結集されている「ショーガーデン」と「リアルガーデン」の2つがたいてい開かれています。これらにアーティザンガーデン部門の小さな庭が加わります。その名からすぐピンとくるかと思いますが、アーティザンガーデンとはデザインにも材料の使用にも手作りの工法や部材にこだわった庭のことです。 家具やグリーンテクノロジーに関する製品の出展者数は500社以上にのぼりますが、中でも一番の見どころはグレート・パビリオンです。厳選された植物生産者が自身の評価となる新種の植物や、珍しい草花を使った素晴らしいフラワーデザインを披露してその年のナンバーワンを競い合います。
ショーでは毎年、スペシャルイベントやコンサート、パフォーマンス、ダンス、生演奏も行われます。
各ブース、庭園内、さまざまな専用パビリオンではプライベートパーティーもたくさん開かれます。
なお、絶対見逃せないこのイベントのチケットは3~4カ月前に買っておく必要がありますよ。