• 2019.05.10
  • 自転車でめぐるロンドン
以前は、最初にこのアイデアを推進し、資金提供してきた有名な金融グループ、バークレイズのコーポレートカラーの水色。
今はこのサービスの新たなスポンサー、サンタンデール銀行にちなんで、イギリスでおなじみの電話ボックスやいつも目にする2階建てバスと同じ赤色が目印。
一体何の話かというと、ロンドン市内で利用できる8,000台を超えるセルフサービスのシェアサイクルの話で、街を楽しむとても便利な手段になっています。
サイクルステーションはロンドン中に600カ所以上もあるんです。
シェアサイクルには1日2ポンドのアクセス料と利用時間に応じた利用料がかかり、クレジットカードで支払います。


シェアサイクル


かつてはサービスを利用するにはまずサインアップが必要で、運営サイトに身元やクレジットヒストリーをチェックされた後に自転車を利用できるしくみでしたが、今はいたって簡単です。自転車を借りるための登録や会員手続きはもはや不要で、クレジットカードかデビットカードさえあればロンドンにいる人なら誰でも、観光客だってレンタルできます。
実際、このサービスは大成功を収めていて、現在、年間のユーザー数は20万人以上、利用回数は1000万回以上にのぼります。
ロンドンでは、熱心なサイクリストで自転車愛好家であり、2010年に導入したシェアサイクルシステムの発案者だと主張しているボリス・ジョンソン前市長にちなんで、ボリス・バイクとも呼ばれています。厳密に言えば、このプロジェクトを承認したのは前任者のケン・リヴィングストン元市長なんですけどね。
現在、地元の人たちに、このシェアサイクルも含めた自転車全般をもっと利用してもらおうと複数のキャンペーンが実施されていますが、交通量やたくさんのトンネル、多くの地域に自転車専用道路がないことを考えると、この街はそれほど「サイクルフレンドリー」ではないというのが実情です。
とは言え、ロンドンのシェアサイクルは市内を移動するための公共交通機関や自動車の優れた代替手段となっていますし、私はヨーロッパ屈指の公共自転車システムだと確信しています。
公式サイトや携帯アプリには、稼働中のサイクルステーションを網羅した地図が掲載されていて、それぞれの場所で何台利用できるか確認できます。
ロンドンでシェアサイクルを利用するには2種類の支払いを行う必要があります。ひとつはアクセスのための支払い(アクセス料)、もうひとつは利用した分の支払い(利用料)で、自転車の利用時間によって料金は変わります。
レンタルしようと思ったら、まずレンタル期間を決め、それに応じたアクセス料を払ったうえで利用時間に応じた料金を支払います。
なお、レンタル時間が30分未満だと利用料はかからず、完全に無料です!
ロンドンのゾーン1にはサイクルステーションがたくさんあるので、どこかでレンタルしてから30分以内に別の場所でレンタルするのもとても簡単です。こうすると、レンタルサービスを丸1日利用してもアクセス料の2ポンドしかかかりませんし、1枚のクレジットカードで1度に最大4台まで借りることができます。
返却する際には自転車立てに固定する必要があり、正しく固定されれば緑のライトがつきます。
ステーションに固定の空きスペースがない場合は、コンピューターが満杯なことを通知し15分が追加猶予され、空きのある最寄りのステーションを知らせてくれます。

ロンドンではヘルメットやその他の特別なプロテクターの着用は義務づけられていませんし、シェアサイクルにはあらかじめ規定のライトが装備されています。
ペダルを踏み、左車線を走ってさえいれば何の心配もありません!
でも、ひとつ覚えておいてほしいのは、ロンドンでは歩道を走ることは絶対ダメで、違反すれば高額な罰金が科せられるということです。
自転車道路やバスレーンは走行できますが、必ず左側通行ですよ。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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