• 2019.05.15
  • 聖ジョージの日
イギリスではどんなカレンダーでも4月23日はイングランドの守護聖人、聖ジョージの日となっていて、その前週の週末にお祝いするのが一般的ですが、今年はイースターの週末とかぶりました。
聖ジョージの日はイギリス人にとってものすごく重要な日です。なにしろ聖ジョージの十字架はイギリス国旗に描かれているシンボルそのものですし、この日ほどイギリスらしい日はありません。
ジョージとは、エリザベス女王の父ジョージ6世と、さらに5人の国王の名前であり、その中には植民地だったアメリカを手放すことになったジョージ3世も含まれています。

聖ジョージにはドラゴン退治の伝説がありますが、イギリスのどこでドラゴンを発見したかは謎のままです(しかも忘れてならないのは、聖ジョージがスペインのカタルーニャやエチオピア、その他のさまざまな地域でも守護聖人になっていることです)。
地方住民を脅かし、美しいお姫様を食べてしまおうとしたドラゴンを倒したことによって名声と名誉を得たと伝えられています。この伝説の騎士は十字架に祈りを捧げることでなんとか生き残り、ドラゴンからの度重なる攻撃の的となっていた農夫たちは、感謝のしるしとして、若きヒーローが教えてくれた不屈の勇気を見習おうとキリスト教に改宗しました。

2日にわたるお祝いはイベントが目白押しですが、ロンドナー待望のイベントのひとつと言えば聖ジョージパレードです。
このパレードは昔からコールマン・ストリートのArmorers Hallを起点に、セント・ポール大聖堂まで行進します。
パラシュート部隊や軍車両も毎年参加します。
しかも、これに加えて馬に乗った聖ジョージが王様、お姫様、ドラゴンを引き連れて、興味津々の観衆の前を行進したものでした。
音楽好きは、キングス・クロス駅近くにある聖ジョージのパブリック・ガーデンに行けばインスピレーションを得られるかもしれません。たくさんのグループが路上パフォーマンスを披露しています。
もうひとつご紹介したいのは、イギリス人が誕生日不明のこの国の有名な詩人、ウィリアム・シェイクスピアの誕生日と聖ジョージの日をなんと、同日にすることに決めたと言うお話です。
このおかげで、今では4月23日はシェイクスピアズ・グローブ・シアターに隣接するテムズ川沿いで、この詩人に敬意を表すために開催される楽しいイベントに参加することもできます。
トラファルガー広場では伝統的なお祭りが土曜日に行われることになっていて、今年は4月20日でした。
ライブパフォーマンスを特徴とし、伝統的な演目や現代的な演目をダンサーやアコースティック楽器が盛り上げます。基本的に家族向けのイベントで、参加できる手工芸品のワークショップやその他のテーマ活動などがたくさんあります。
フードマーケットには昔ながらのイギリス料理が並び、クラフトマーケットではストリートベンダーが商品を売っています。
スクエア・マイル(シティ・オブ・ロンドンの別称)を彩るスペクタキュラーマーケットでは、モリス・メンというダンスチームが金管カルテットの調べに乗せてまるで絵画のような美しい雰囲気を演出します。
屋台やショップの中には、午後に特定のイベントを実施するところもあります。
ボクスホール・トラストがボクスホール・プレジャー・ガーデンで主催する壮大な聖ジョージフェスティバルは、今年はイースターサンデーの4月21日に行われました。
目玉は騎士の馬上試合で、甲冑や盾で武装した騎士による本物の中世のメリーゴーランド(騎馬の周遊)を目にすることができます。
中世にタイムスリップできるこのイベントでは、アーチェリーや鷹狩りに挑戦・参加でき、ドッグショーも楽しめます。

シティ・オブ・ロンドンにひっそり生息していると言われるドラゴンを探すユニークなガイド付きツアーも催されています。
私はこのドラゴン探しの「ツアー」のひとつに参加したことがありますが、実際すごく楽しめますし、イングランドだけでなく世界の言い伝えに出てくるドラゴンにどんな意味の違いがあるかを知ることができて、とても興味深い内容です。
ツアーでは他にもイギリスにおけるローマの歴史、ロンドン大火、ハリーポッターシリーズ、ロンドン塔についての基本情報なども紹介してもらえます。


ロンドンで行われた聖ジョージのお祝い


ロンドンで行われた聖ジョージのお祝い

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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