• 2020.02.13
  • みんなでクリケットをやってみよう!
クリケットはアングロサクソン由来のスポーツで、当時の新興のブルジョア階級によって14世紀に南イングランドで広まり始めました。
その後、アジアで、とりわけ亜大陸の4カ国、バングラデシュ、インド、パキスタン、スリランカのおかげで広く普及するようになりました。
クリケットは11名ずつの2チームで対戦します。
クリケットは「ユニークな」スポーツです。
プレーするにはゲームのさまざまな場面を取りしきるルールに従うだけでなく、ゲームのスピリットを尊重することが求められます。
世界で2番目に盛んなスポーツとなっているのは、クリケットが単なる競技ではないからで、 南アジアの一部では実際に宗教のようになっています。
クリケットフィールドでは暴力が許可されている場所など一切なく、審判を侮辱したり対戦相手を笑ったりすることは許されませんし、それどころか、対戦相手がスーパープレーをしたときにはこれを称えることになっています。
クリケットは技術、競争心、忍耐力、才能、品格、ウィットを兼ね備えた特殊なスポーツです。バット、ボール、グローブを使用したチームスポーツという点ではアメリカの野球によく似ています。
屋外でプレーするのが一番ですが屋内でも可能で、フィールドは天然か人工かは問いませんが全面芝が望ましく、たいてい楕円形か長方形をしていて、サッカーグラウンドより大きいことが多いです。
フィールドのサイズに関しては強制的な基準はないので、利用可能なスペースを最大限に使用するのが一般的です。
フィールドの真ん中には縦20m、横2mほどの長方形のスペースがあり、その両端には3本の棒が小さな扉のような形に並べて立てられています。
試合は2回の裏まで行われます(イニングと呼ぶ)。
各イニングでは、打撃チームの選手11人はチームメイトと順番に交代しながら10人目の打者がアウトになるまで打撃を行い、対戦チームの11名は投球とフィールドでの守備を担当します。
インターバル後、両チームは攻守を交代し試合を再開します。
試合ではチームはできるだけ多く得点し、打席でアウトにならないように努め、最終的に得点の多いチームが勝ちます。ウィケットは地面に1列に挿した3本の木製の柱(スタンプと呼ばれる真っ直ぐな棒)を全幅約23cm、高さ約71cmになるように配置し、その支柱の上部を2つの木製の横木(ベール)でつないだものです。
クリケットはオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ジンバブエ、そして英語圏のカリブ海諸島(英領西インド諸島など)でも欠かせないスポーツです。
クリケットの起源はよく分かっていませんが、14世紀にはイングランド南東部で現在のクリケットに近いゲームが行われていたのは確かなようで、フラマン人の羊飼いによってもたらされたと言われています。
クリケットの名前の語源には諸説あります。
フラマン語の「krick cane」がもとになっていて、イングランド南東部とフランダースの文化的・経済的交流があったことを証明するものだとする説もあります。1600年代にこのスポーツがイングランド南東部で盛んだった事実を示す資料はとてもたくさんあり、17世紀末にはチームを編成して初の試合が行われたという記録が既に残されています。1700年代にはイギリスの国技にまで発展し、イギリス植民地帝国全体に広がっていくこととなりました。
最長の公式試合は1939年に行われたイングランド対南アフリカ戦で、10日間続いたようですが、結局、引き分けで終了することになりました。それはイギリスの選手が船に乗って帰国する日が来てしまったからです。
クリケットが単なるスポーツ超えた存在なのは、英語に定着した表現があることからも明らかで、例えば次のようなものがあります。「I’ve been cricket to you」(私はあなたに対しずっと誠実にしてきた)はその人に最大の忠誠を誓うという意味で、「it’s not cricket」(それはフェアじゃない)は不公平な状況を嘆く言葉です。
スタイル、行動、プレーのバランスが常に保たれているクリケット、そして典型的なイギリスのユーモアセンスを大いにくすぐるスポーツでもあります。


公園でクリケットをする様子

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

ジャンフランコ・ ベロッリの記事一覧を見る

最新記事

おすすめ記事

リポーター

最新記事

おすすめ記事

PAGE TOP