• 2020.09.15
  • 星空の下でライブ、映画、演劇!
ここイギリスでは経済活動が徐々に再開されはじめ、生活もゆっくりと一応正常に戻りつつありますが、ロックダウン(都市封鎖)実施によって人々の消費活動やライフスタイルのかたちは確実に変化し、以前のお楽しみはすっかり消えてしまいました。仕事終わりの中心街での一杯、金曜夜の友人とのビリヤード、夜のディスコ、ポップコーンやチップス片手に映画鑑賞…あぁ今となってはすべて懐かしい思い出です。
幸い、夏が来て暖かい季節が続くので主だった商業活動は一部再開されていますが、映画館は構造上の理由から、密閉した空間での密な集まりになってしまうので、いまだ解禁されていません。特殊な感染リスクの高い状況になりますから、解決方法としてはドライブインシアターなどになるでしょうか。
つい先日の規制緩和で映画館もようやく営業を再開。とはいえ、上映企画が不十分だったり、新作公開が延期されていたりして、統計では実際に再開できたのはまだわずか15%だけだそうです。
これまでのところ、再開にこぎつけた映画館は、アートシアターや地元の映画館、スクリーンが一つだけの小規模な映画館など、独立経営の映画館が大半をしめています。大手チェーンの再開は最小限にとどまり、国内ではまだ営業を認められていない地域もあるためイギリス全土での一斉再開にはいたっていません。
なんだか悪循環が永遠にぐるぐるループしているような感じですね。映画が公開されないから映画館が閉鎖になり、映画館が閉鎖されているから映画が公開されない!
映画館の運営者たちは近ごろ、ネット上で新作をストリーミングする可能性があることに言及しています。そんななか、イングランドでは野外シネマやドライブインシアターの営業が急増していて、映画館入場者数の落ち込みの回復をはかり、笑いや冒険、大きな興奮を人々に届けてくれる映画産業の価値を少しでも高めようとしています。
また、野外シネマは、愛するパートナーと星空の下でロマンチックに良質の映画を楽しめるだけでなく、人込みも避けられますから、ソーシャルディスタンスを守れる理想的な鑑賞方法といえます。
もちろん、観られる作品数が限られているという問題は残っています。営業再開になったとはいえ上映されるのは名作映画や時代を超えた傑作ばかりで、新作は公開未定のまま。この原因の一つはアメリカの現状にあり、新型コロナウィルスによる制約に依然として大きく影響を受けています。

最後に、ここロンドンとイングランドの音楽業界には良いニュースも飛び込んできました。7月最後の週末からロンドンとイングランド全域でライブコンサートが野外に限り開催可能となったのです。
デジタル・文化・メディア・スポーツ相のオリバー・ダウデン氏から正式に発表があり、音楽や演劇のイベントはようやく7月11日土曜日から野外開催が許可され、一方、屋内での鑑賞は早くても秋以降になると述べています。
確かに人や物の輸送の問題もありますし発表から間もないこともあって、ショー再開が許可された最初の週末にはイベントの開催予定はありませんでした。だって、たった24時間でコンサートや演劇のイベントの準備なんて無理ですよね。
けれどもここ数週間でコンサートや演劇の開催(と人々の需要)は一気に増えています。といっても、その多くはパンデミック発生前にすでに開催されていたもので、まったく新規のショーの開催はごくわずかというのが現状です。
観客の安全を確保するために、ソーシャルディスタンスを守ることが義務づけられていますし、事前予約による入場者の管理や制限も必要です。また、今回の規制緩和はイングランドのみに限定され、スコットランドやウェールズ、アイルランドでは野外イベントは当面の間、引き続き禁止される予定です。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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