• 2020.12.10
  • 新型コロナウイルス 子どもは元気?
イギリスでは全国的なロックダウン実施から二週間が経過し、政府は、新型コロナウイルス感染者と同ウイルスに関連する死者がいずれも大幅に減少したと発表しました。
政府の計画では、今回のロックダウンを12月2日に解除し、地域ごとに警戒レベル(ティア)を設定する3段階の規制システムを導入するとしています。
最近の報道によると、家族が集まってクリスマスを祝えるように特別にその期間に限って制限を緩和する可能性もあるそうです。
その一方、無症状の人々を対象とする最初の簡易検査センターが開設されました。サンプルを採取して研究所に送る必要がなく、約30分ですぐに結果が分かる検査によって、陽性患者をすべて特定することを目指しています。
陽性が判明した人は、綿棒を使った従来の精度の高い方法でさらに検査を受け、結果が出るまでの間、自主隔離に入ります。
このウイルスが私たちの健康や生活、生産性、そして経済にどのように影響をおよぼしているかに関して、(少なくともここイギリスでは)誰かが話しているのが実に四六時中、聞こえてきますが、その大半は大人の生活に関する内容です。
では子どもの生活についてはどうかというと、そんな話はほとんど耳にしませんし、また、子どもたち自身がこの手の話題を率直に口にしたり、自分の考えを言ったりするのを聞いたことは、さらにないと言ってよいでしょう。
というわけで、今回のブログのトピックについて少しばかり調査をして「子どもたちは社会的な交流が乏しくてとても苦しんでいる」という自分の仮説を検証するべく、友人数人に、彼らの子どもたちが今どのように過ごしているのか、今のこの新たな状況にどう反応しているのか(そして今年の春に学校が閉鎖されたときはどうしていたか)について質問してみました。
11月5日木曜日に全国的に新たな規制が施行されるなか、各学校では全生徒にフェイスカバーの使用が義務付けられ、体育の授業は中止になりました。
遠隔授業を回避してすべての生徒が学期を通じて通常通り授業を受け続けることが引き続き目標とされていますが、これは良いことだと私は思います。
例えば6~10歳の児童だと、タブレットやPCを使った遠隔授業は最も難しいとの報告があり、保護者の話ではオンライン授業を受けさせるためにずっと同席していなくてはならないそうです。
春に学校が一時閉鎖されたときには、ビデオ通話が教師と生徒間のアイコンタクトに一役買い、生徒の言葉を使わないコミュケーションが部分的に理解できたものの、苦労が絶えませんでした。
学校環境との結びつきが密接な幼い児童たちにとって、毎日の登校がなくなる、お友達や先生に会えない、というのは人生で初めて出会った困難といえるでしょう。
10代の若者ならそれほど大変ではないはずだと大人は思うでしょうが、現実はそうとは限りません。職場の同僚の中には、10代の息子が遠隔授業で困っているとこぼす人も何人かいました。年齢には関係ないようですね。
子どもたちが遠隔授業に困っていたのは、疎外感を抱いたり、仲間との関係性をうまく築けなかったりするからで、それは無理もないと思います。
と同時に、その悩みは、一人ひとりが持つ個人の資質に大きく左右されるとも思います。
10代の子どもたちに関して言えば、確かに彼らは普段からネットに頻繁に接続していて、SNSをチェックしたりビデオゲームをしたりしていますから、学校の授業がオンライン化しても日常生活はさして変わらないはずだと、大人は思いがちです。でも、これは私の個人的な考えですが、その変化は彼らを「リアリティ」からさらに切り離すことになるかもしれません。
以前はおそらくはスポーツなどの課外活動やその他の趣味などを楽しみ、幸いにもアクティブな社会生活を送っていた10代の子どもたちにはなおさら、今回のウイルスによる変化がひしひしと感じられたことでしょう。

10歳未満でも10代でも、どちらの年代の子の親からも、子どもたちが不安で眠れなくて、全然落ち着きがないという様子だと聞いています。
覚えておかなくてはならないのは、特に子どもは自分の感情を言葉でうまく表現できないということです。ですから、子どもが不快を表に出してきたら、受け入れて許してやらなくてはなりません。
一般的に子どもは大人よりも適応力が優れてはいるものの、今のような大変なときには子どもが何を必要としているかを理解し、こちらから手を差し伸べることが大切になってきます。


クリスマス休暇には、子どもはぜひ屋外へ。各公園では子ども向けにくるみ割り人形の劇やいろんなアクティビティが催される予定です。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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