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  • 2021.03.17
  • 石を足がかりに アートで笑顔に
昨年、ここイギリスでは(そしてもちろん世界各地で)政府機関や美術館、博物館がSNSやホームページでバーチャル素材をたくさん制作し人々に提供しました。その中には実に面白い内容もありました。
ビデオやインタビュー、ライブ、講演の視聴や、数々のオンラインコレクションの鑑賞、アーカイブの資料や調査・分析などによるインサイトの投稿の閲覧に加え、遠く離れた場所からオンラインで美術館巡りやバーチャル展示品の鑑賞もできるようになりました。
私たちは、パンデミックの時代である以上に、ソーシャルメディアの時代としてアートについて語るべき時期を迎えています。今や、SNSやインターネットの利用によってあらゆるものが「魔法のように」私たちの自宅に入り込み、現実と空想との境目がなくなっているわけですから。
多くのアーティストたちは個人のインスタグラムを開設し、自分が制作した芸術作品を投稿して一般公開しています。
ここイギリスのアーティストの中には、破産をくいとめる苦肉の策として、インスタグラムをオンラインアートギャラリーのように利用して作品の販売を始めた者もいます。みなさんが思うほどアーティストがみんな、名前が知られていて裕福とは限りませんからね。
また一方で、悪戦苦闘しながら自分の芸術が「生気」をもち続ける手立てを模索する地元の芸術家も山ほどいます。

でも創って売るだけがアートではありません。ここロンドンでは(私は自宅近辺から始まったと思っているのですが)近頃、クリエイティブな新たなアイデアが人々の間で人気になっています。手ごろな石に絵の具などでペイントし、出来上がると自宅近くのどこかにそっと置いておきます。すると、別の誰かが持ち去ったり、持ち運んで近隣や市内の別の場所に新たに置いたりします。

すでにイタリアやアメリカで広まっていたこの活動がイギリスにも上陸し、石を見つけた人を笑顔にすることを目的とする活動であることから「A stone for a smile」(石で笑顔に)と呼ばれています。
今のこんな「暗い時代」に人を笑顔にするなんて、これこそ本当の芸術表現!
これぞまさにアートです。人の心を動かし、考えさせ、暮らしを楽しくし、そして周囲のみんなにとってあらゆるものをより彩り豊かに、よりよいものにしていますよね。
ストーンペインティングを最初に始めたアーティストあるいはアーティストたちが誰かについては不明のままですが、それぞれが独自のやり方で石を制作しています。
実は私のガールフレンドもこのストーンペインティングの趣旨が楽しくなって、活動に参加しています。SNSにサイトもあるんですよ。
彼女がこのアートに夢中になったのはかなり前、幼いころに海辺で石や木切れを集めていろいろ描いていたのだそうです。
彼女は主に面白キャラクターやフルーツを描いていますが、先ほどご紹介したストーンペインティングではシンプルな風景画もあれば、樹々や花、動物、ハートマーク、なかには家族の絵や抽象画を描いたものもあります。何か意味のあるフレーズや名言を書いている人もいます。
ストーンペインティングは今や、感染の心配が無用で、マスク越しに人と出会い笑顔をやり取りできる新しいコミュニケーション方法となっているようです。費用もさほどかからず、特別な技能も不要、ただ誰かのために何かしようとする気持ちを表すアートです。
周囲で見かける子どもたちがペイントした石もあれば、一方で本当の芸術作品のような石もあります。
玄関前や銅像の背後、公園、ベンチ、いろんなところでペイントされた石を見つけることができます。
石を置いていった人は、それを見つけた幸運な一人ひとりに喜びのメッセージを伝えようとしているのです。
活動にはほんの少しだけ約束事があります。こんな時期ですから人を悲しくさせるようなものは描かないこと。参加に必要なのはたった5つ、ホームセンターで買える石、筆、アクリル絵の具、仕上げ用のニス、そして少しばかりの創造力です。




石2個で2つの笑顔を。ガールフレンド作

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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