• 2021.08.19
  • 「自由の日」とユーロ2020
待ちに待った「自由の日」がやって来ました。
7月19日に予定されている「自由の日」。イギリス国民が、パンデミック中に課されていた規制から晴れて全面的に解放される日です。
これまでは残念ながら幾度となく延期されてきましたが、今度こそ本当のようです。
イギリス当局とボリス・ジョンソン首相は、2020年に初めてイングランドに導入されたロックダウンの規制をほぼ撤廃することを公式に発表しました。
この数週前には全面的に規制が解除されるはずでしたが、それからほぼ1ヶ月先延ばしになり、当初予定されていた6月21日の解除日は7月19日ころ(と私たちは期待しているのですが)に現在変更されています。
ジョンソン首相はダウニング街で行った記者会見で、イギリスは接種を受けられない人、あるいはまだ受けていない人など、ワクチン接種を必要とする人々を対象としたワクチン投与にまだ時間がかかると述べています。
さて、私はというと、少々取り戻せた自由を楽しみ、地元のイタリアンのバーに出かけてサッカーのユーロ2020(欧州選手権)の決勝を観戦してきました。
苦しい試合になることはわかっていました。新聞やテレビでもそう報道されていましたし、事実、そうなるのが当然だと思われていました。だって、ユーロ(欧州選手権)であろうとワールドカップであろうと、「イタリア」と「サッカーの決勝戦」とくれば、楽な試合になるわけがないのは誰もがよくわかっていますからね。
ましてや今回は、「スリーライオンズ」の名で親しまれるイングランド代表が待ち受ける聖地ウェンブリー・スタジアムで、わがイタリアチームは勝てる見込みの低い戦いに挑んだのですから、タフな試合になることは必至です。
私は市内のイタリアンのバーで観戦することにしました。というのも、ロンドン在住のイギリス人仲間に混じってイタリアを応援するのは寂しそうで普通のバーでは観戦できないと思ったからです。
故郷イタリアでは国中の人々がテレビの前に集まり観戦していたはずで、誰もがものすごく緊張して食欲などあるわけもなく、特に、試合開始のホイッスルが鳴った直後でまだ席を探している最中にイングランドがゴールを決めた後なんてなおさらです。でも、イタリアンのバーにいると、まるで母国にいるような気分でした。
お店の雰囲気、料理、人々が交わすジョーク、それから歓喜(これはお店にいた時間の最後のほう)…みんな懐かしいものばかりでした。
イングランドが先制した後にイタリアもシュートを決めると、ロンドン中がしんと静まり返り、イタリア人の歓喜の叫びだけが響いていました。
まさに1点を争う緊迫したゲーム展開ではよくあることですが、試合時間90分は残念ながら短すぎましたし、延長を含めた120分でも決着はつきませんでした。
そして、準決勝のスペイン戦と同じく、決勝戦も「運次第」といわれるPK戦によって、対戦相手イングランドのまさにホームグラウンドでわがイタリアが勝利を手にしました。イングランドはキックオフの何日も前から優勝カップはすでにわが手中にありと思っていました。
でもイタリアが勝利した今では、イングランド代表を応援するフレーズ「coming home(サッカーが生誕の地イングランドに帰ってくる)」はイタリア人による絶好のからかいの的となり、一部をもじって「coming to Rome(サッカーがローマに帰ってくる)」と変えられてしまうありさまです。
覚えておきたいのは、イギリス人もサッカーが大好きではあるのですが、イタリアではサッカーはただ単に多くの人に愛される競技以上の存在であるということです。イタリアでは将来チャンピオンになることを夢見る者から友人たちと楽しくプレーする者まで、老若男女を問わず、かなりの割合の国民がサッカーを支持し実際にプレーしています。この国ではサッカーは―冗談抜きに―ほぼ「宗教」のような存在なのです。
代表チームが戦うときは、家族や友人が集まり、国内にいても海外に住んでいても愛国心をとても強くするイタリア人。
私たちロンドン在住のイタリア人は、長い道のりを経てイタリア代表が成し遂げた優勝とこの素晴らしい大会を楽しみましたが、その一方で、イギリスに住む者として、試合の「ホスト」たちに対して失礼な態度は絶対にとりたくありませんでした。
ええ、確かにサッカーはただのスポーツです。でも、試合後ほんの数時間しか寝ていなくても、ユーロ2020のチャンピオン気分で目覚める朝というのは、特にイギリスに住んでいると、格別な気分です…。
私は誇らしい気分でした。
さて今は、もっと大切な「勝利」、新型コロナウイルスに勝ったことを祝うべく7月19日をただ待つばかりです。


追伸:(写真が一枚も撮れていません。昨夜は興奮しすぎました。)

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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