• 2021.11.12
  • オープン・ハウス・ロンドン
待ちに待ったオープンハウス・ロンドンのフェスティバルが今年もこの街で開催されました。
9日間にわたってロンドンの建造物を讃えるこのイベント。いつもは非公開の名建築の数々を、この期間に限り無料で見学できる街の催しです。
見学可能な建造物には、いつも名門学校やオフィス、礼拝所などが含まれています。
また、今年は「Local London, Global London and Architecture and Wellbeing」(地域に根ざすロンドン、世界とつながるロンドン、建築と人々の健康)の3つをテーマに、アクティビティやワークショップ、各種イベントやさまざまな建築探訪ツアーなどの無料プログラムが提供されています。
名だたる建築を一般の人々に無料公開することがフェスティバルの目的です。
建築好きの人たちにとってオープンハウス・ロンドン・フェスティバルは憧れの空間。でも、それだけではありません。
実はロンドン市民の誰もが参加できる一大イベントでもあるのです。知られざる街の一角を発見したり、ロンドンの変わりゆく様子を注意深く観察したり、暮らしの空間が、特にパンデミック後の生活にどのような影響を与えるのかを考えてみたり、楽しみ方はさまざまです。
小さな慈善事業の一プロジェクトとして1990年代に始まったオープンハウス・ロンドン。
以来、このイベントの重要性は増す一方であり、さらに世界各地の都市にその活動の輪を広げています。
このフェスティバルでは毎年、開催期間中の週末になると、宮殿をはじめとする600以上の魅力ある建造物に人々が訪れ、市内随所で企画ツアーも開催されてきました。
ただ今年は事情が異なり、公開された建造物の数が少なくなっていましたが、それでも全く公開されないよりはいいですよね。
ロンドン中心部は建物が非常に充実しています(シティ・オブ・ロンドンからカムデン間に数多く見られます)が、ヘイヴァリング地区やウィンブルドンなど、郊外にも素敵なスポットがたくさん企画されています。実は、最も革新的で面白い建築のソリューションにお目にかかれるのは、こういう外れたエリアにとても多いんですよ。
以前のフェスティバルで、私はHermitage Community Mooringsを訪れました。テムズ川の水上にPier Houseがあり、居住用をメインとする歴史ある船舶が係留されコミュニティが営まれています。
また、当時開発を担当していたクリエイティブ・チームの案内でウェンブリー・パークにも行ったことがあります。でもこれは訪れたスポットのほんの一例にすぎません。
フェスティバルでは、建築として面白そうなものがたくさんセレクトされています。個人の邸宅や公共住宅、高層ビル、政府の庁舎、学校、大学、大使館、アートギャラリー、ジム、図書館、企業のオフィスや墓所、法廷などなど、実にさまざまな場所が見学できるのです。このほか、ロイヤルアルバートホールに始まり有名な建築物まで、主だった劇場やコンサートホールも期間中は一般公開されていて、気軽に見学できます。過去にはダウニング街10番地の首相官邸内を見学できた年もあったとか。といっても、これは抽選に参加して当選した一握りの幸運な人限定です。


ロンドンの水上住宅


見学ルートは難なく探せます。
上手にいろんな企画を調べて行き先を選ぶためには、印刷された案内冊子、つまり必要な情報がすべて載っているパンフレットを入手するのが最も簡単です。
公開される建造物は地区別および種類別に掲載されていますから、行き先をすいすい選べます。
パンフレットは市立図書館で無料配布されていますし、書店でも販売されていますが、自分でダウンロードして印刷することも可能です。
ちなみに、昨年まではほとんどの建物の見学は予約が不要でしたが、今年は予約が必要となっていました。
さて、今年のフェスティバルで私が見学したのはグリニッジにある、ロンドンでは知る人ぞ知る秘密の邸宅と、第二次世界大戦中に外観はそのままに内部が避難場所として改造されたエア・レイド・シェルターなどの貴重な建造物でした。
外観は今も昔も普通の庭園のようですが、空襲から人々の身を守る場所として戦時中に建物内部が作られたそうです。
地中深くに作られたこのシェルターは円すい型の造りになっていて、中には爆弾の爆発や衝撃波に耐えられる鉄筋コンクリート製の狭く細長い部屋が四つあります。
簡易トイレや二段ベッド、照明や換気の設備も備わっていて、比較的小さい施設ではありますが、かなりの人数を収容できます。
ロンドンで空爆があると、この地域の多くの住民がこのシェルターを利用していました。
シェルターでは、内部の造りや置き忘れられたものなどをそのままに、当時の様子をとどめています。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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