• 2022.08.01
  • ロンドン―奇怪なコレクションと個性豊かなスポットの数々
ロンドンは多様な文化が共存する、エネルギッシュでアクティブな街です。
世界で最も多様性豊かなこの街には、レストランやホテル、ショップ、そしてもちろん観光名所やエンターテイメントまで、魅力的なスポットが数多くあります。
文化や教育に関連する名所も豊かで、中でも多いのがミュージアムです。
大英博物館やビクトリア&アルバート博物館など最も有名なミュージアムにはこれまで何度も訪れていますので、規模の小さめの展示やもっと変わったスポットで良いところはないか探してみました。
サイエンスからアート、さらにテクノロジーから奇抜極まりないコレクションに至るまで、ロンドンには誰もが満足する素晴らしいミュージアムやギャラリーがたくさんあります。
さて今回は、ロンドンを訪れる人、ロンドンに住んでいる人を問わず、いつもと少し違うことをしようと思っている方のために、この街のクールで一風変わったミュージアムをいくつかリストアップしてみました。

セント・ダンスタン・イン・ザ・イースト
ロンドンには隠れスポットが数えきれないほどあります。中心部で道に迷いこむと、行く先々で何かしら発見があり驚きの連続です。
私にとってそんな発見の一つが、セント・ダンスタン・イン・ザ・イーストでした。
特別なスポットで、ゴシック調建築と神秘的な雰囲気があり、高層ビル群の真ん中で心安らぐ憩いの空間になっています。中世に建てられた教会の遺跡に生い茂る植物に囲まれ、テムズ川の岸辺からもほど近いところに位置します。
昨年10月、私はここに写真を撮りに行くことにしました。遺跡の中や周囲には緑が生い茂り、美しいスポットがたくさんあって、写真家(私は違います)にとっては楽園のような場所です。
セント・ダンスタン・イン・ザ・イーストは廃墟となった教会の一部で、教会自体は第二次世界大戦中に破壊され後に再建されましたが、現在は一般公開されていません。
壁面に囲まれ背の高い木が植わった小さなかわいい庭には噴水があり、ベンチもいくつか備えられているので、のんびりくつろいだり読書をしたりして楽しめます。
ロンドンの喧騒の中でこの穏やかさや静けさはとても貴重なものですから、ここを訪れたらきっと気に入ると思います。


セント・ダンスタン・イン・ザ・イーストの東の壁面

「新しい」モザイク画
どうやらこのモザイク画には名前がないようです…まだ今は!と言うのも、今年初めに発見されたばかりだからです。
この大きなモザイク画はロンドン橋の近くにあり、状態もよく、今年2月に工事現場で掘削作業をしていた労働者たちが発見しました。
過去約50年間に発見されたローマ時代のモザイクとしては最大規模と考えられ、西暦2世紀末から3世紀初めのものだと思われます。
そのほか詳しいことはまだわかっていませんが、ニュースでは、当時この場所は上級役人の憩いの場であり、おそらくはバースにあるローマン・バスのような一種のスパであったと推測されているようです。


ハンテリアン博物館
私はコロナ禍前にここを訪れました(現在は公開を一時休止中)。イギリス王立外科医師会の敷地内にある博物館です。
とても小さいのですが変わった博物館で、巨大なアイルランド人の骸骨や、夥しい数の古い外科器具、頭蓋骨、変わった形をした生物の絵画や写真、解剖用の人工装具、ここでは言いたくないようなあらゆる種類の体の部位がホルマリンに浸された瓶など、医学的に珍しいものばかり数百点が展示されています。
刺激的なスポットで無料なんですが、感受性の高い方にはお勧めしません。
解剖学や私たちの体の仕組みを学べるので、とても勉強になるとも思います。
慎重に扱わなければならない展示内容であり、その点に配慮して当然ながら館内では写真撮影は一切禁止されています。

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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