• 2022.10.06
  • ロンドンの夏、アクティビティを楽しもう
残念ながら夏も終わりに近づいてきましたが、「ロンドンではどうやって夏を過ごしているの?」と外国にいる友人から聞かれることがあります。
故郷のイタリアでは、夏は子どもに限らず大人もみんなゆったりとくつろいで過ごします。
私はいつも前置きとして、「イギリスでは夏はみんなイタリアよりよく働くんだ。それにイタリア人みたいな『ビーチの文化』もないんだよ」と話しています。
イタリア人はビーチが大好きです。夏になると、特に8月の間は街はもぬけの殻、ほとんどの店や飲食店は休業になり人々は海岸エリアに「移住」します。
イギリスではこんな現象は見られません。
でもイギリス人もしっかり夏を楽しんでいます!

イギリスの人たちはお金を使うことを厭いません。外食も多いですし、日帰り旅行や、学校の長期の休みに海外旅行に出かけるのも大好きです(子どもがいる家庭の場合)。
知っておきたいのは、まとまった長期の夏休みが楽しめるイタリアとは、学校の休みの設定が違うということです。例えばハーフターム(訳注:学期途中の中休み)ごとに2週間程度の休みがありますが、まとまった休暇はありません。
イギリスでは夏休みが6週間、新学年が始まってからの休みは10月に1週間、12月に2週間、2月に1週間、4月に2週間、5月から6月にかけて1週間、となっています。
そんなわけで、ハーフタームを利用して何泊か家族旅行に行くのもごく一般的です。
こうした休みに10歳以下の子どもを連れた家族がよく行くスポットとして一番人気があるのがプレイセンターです。気泡ゴムの巨大な遊具ややエアーで膨らませたお城があり、子どもが遊んでいる間、保護者はテーブルで飲み物やスナックを片手におしゃべりなどしてゆったり過ごせます。
保護者同士の交流や出会いの場にもなるので大人にもとても人気のスポットです。
ある一面から見ると、イギリス人は今も田舎の自然と深くつながっているように思えます。子どものいる家庭では、たとえロンドンに住んでいても、みんなでよく田舎の農場へ出かけて果物狩りをしたり公園や自然保護区へ出かけたりしています。イギリス人のこういうところを私はとてもよいなと思います。こうした外出を通して、自然と関わり素朴なものを慈しむ活動を子どもたちに経験させ、私たちを取り巻く超ハイテクの環境と闘っているのです。
では、私のように子どものいない人はどうやって夏を過ごしているのでしょう?
確かなのは、イギリスの夏の過ごし方には原則が2つあるということです。
一つは「Carpe Diem(今を楽しむ)」。もうすぐ雨がよく降る季節が始まるから、今を大切にしようということです。
お天気の良い暑い日があれば、とにかく楽しむこと。次にいつこんな日が訪れるか分かりませんからね。
もう一つは「Keep Calm(冷静さを保つ)」。イタリアとは違い、ロンドンは夏も観光客が多くとても混みあいます。遊園地でアトラクションに乗るために列に並んだり、公園でピクニックの場所を確保したりするのには、かなりの忍耐力が求められます。
というわけで、太陽が現れて青空が見えると、人々はすぐに屋外に出て、友人や親戚に会うなどして夏を楽しみます。あらゆる機会を利用してお祝いし、何よりもお酒を飲んで楽しむのです。
さて、夏のアクティビティがいろいろある中で、一番人気が高いのがピクニックです。
ぜひともおすすめしたいスポットはロンドンの公園です。子どもは遊べますし、大人は友人や家族と語らえますから、とてもよいと思います。


ピクニックエリアは多数、手入れも行き届いている

それから、市内の公園では、真剣にスポーツしている人を見ても驚かないでくださいね。特に仕事終わりの夕方は人が多くて、クリケットやサッカー、フリスビーをしている人がいたり、屋外でヨガや太極拳を楽しむ人がいたり、凧を揚げる人まで(もちろん大人も)います。
夏といえば、なんといってもバーベキュー。友人宅や親戚の家で、あるいは公園でよく楽しまれているようです。人気料理はもちろんローストした肉やソーセージですが、ソイバーガーやさまざまな野菜を使ったベジタリアン料理にも事欠きません。
ほかにも、ポテトサラダやトライフル (イギリスの代表的なデザートでクリームやスポンジケーキ、フルーツなどを層状に重ねたもの)も定番ですね。
バーベキューではワインよりもビールが主流です。
また、イギリス人はナーセリーと呼ばれる花や苗木の生産、販売をする場所へもよく出かけます。イギリスでは自宅に庭のある人がたくさんいて、庭がお気に入りの人たちにとってはまさしく楽園のような場所です。
屋外用の家具から植物や庭に使うありとあらゆる道具まで販売されています。
ガーデンセンターやナーセリーには必ずカフェが併設されていて、ブランチやランチ、アフタヌーンティーが楽しめます。
さて、イギリス人はビーチに行くのでしょうか。
若い人たちの間では、海沿いのリゾート地としてブライトンが最も人気があるようですが、このほかボーンマス、ヘイスティングズ、トーキーなど、ぜひ訪れたい素敵なスポットはまだまだあります。
夏は海沿いで音楽フェスがたくさん催され、フードフェアもよく一緒に開催されています。
フェスは通常、週末にわたって数日間開催されるので、キャンプ場のようにキャンプすることもでき、これがフェスの特色にもなっています。


ボーンマスのビーチ

特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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