ロンドンのマーケットの歴史は12世紀まで遡り、ロンドン・ブリッジのテムズ川南岸にあるチープサイド(Cheapside)と呼ばれる地域で開かれたのが最初です。
その後、レドンホール・マーケット(Leadenhall Market)からコヴェント・ガーデン・マーケット(Covent Garden Market)に至るまで、そしてブリック・レーンのビンテージ・マーケット、さらにポートベロー・マーケット(Portobello Market)のような名所になったマーケットなど、数世紀の間に多くのマーケットが現れました。
中でもポートベロー、コヴェント・ガーデン、グリニッジのマーケットはおそらく最も有名で、特に観光客の間でよく知られたスポットです。以前、ブログでも詳しくご紹介しましたね。
この3つのマーケットではさまざまなジャンルを扱いバラエティ豊かな商品が売られていますが、一方ではリバーサイド・ウォーク・ブック・マーケット(Riverside Walk Book Market)という、その名の通り本好きの人には嬉しい本に特化したマーケットも存在します。
ウォータールー橋の下の陰になっているところで開かれ、雨の日も楽しめる絶好のスポットにあります。
それほど有名なマーケットではなく出店している本屋も少なめではありますが、新たな持ち主を待つ本がずらりと並び、ここなら面白そうなタイトルがすぐに見つかるはずです。
このマーケットは土曜日と日曜日の早朝から日没まで開かれます。どこのマーケットでもよくあることですが、一番いいものは早々に売れてしまいますので、ランチタイムの前に行かれることをお勧めします。
レドンホール・マーケットはこれまでご紹介したマーケットとは少し毛色が違いますが、ここも豊かな歴史を持つとても素敵なマーケットです。
屋外の露店や飲食店などはありませんが、素晴らしい建築が居を構え、軒下にはクラブやさまざまな店が立ち並び雨風をしのいでいます。
歴史は14世紀まで遡り、当時はアルプス山脈以北で最大のローマ人居住地区とされたロンドンの中心部にあったそうです。
ロンドン最古のマーケットの一つであるこのマーケットは、数百年の間に幾度となく変遷を遂げてきました。最初の変遷は1881年で、装飾を施したガラス屋根つきの金属製建築に改装されました。
また、古くからの英国の名所の一つでもあり、最近では映画『ハリー・ポッターと賢者の石』にも「ダイアゴン横丁」として登場しました。
通常、月曜日から金曜日、一般のお店と同じ時間帯(イギリスでは午前10時から午後6時)に営業していますが、個別に営業時間を決めている店舗やクラブもあります。
また、ロンドン東部のイースト・エンドにあるブリック・レーンという通りも数々のマーケットがあることで知られ、ほとんどは19世紀のアイルランド人やユダヤ人の移民たちの活動から生まれたものです。
その一つがブリック・レーン・ビンテージ・マーケットで、1920年代から1990年代を対象とするさまざまな品物や衣類を求めるビンテージ愛好家たち向けのマーケットです。そのほか食品やアート、アクセサリー類や衣類を扱うアップマーケットや、ブリック・レーンに現れた最初のマーケットであらゆる種類の品や衣類を扱うバックヤード・マーケットもあります。
こちらの食品マーケットでは、いつでも試食させてくれるので、朝にあちこち見て回って焼きたてのパンを全種類味見したり、地方の中心部から市の中心部へ農産物を運んできた農家の人からあれこれ食料品を買ったりするのも楽しいですよ。
衣類のマーケットはビンテージスタイルがお好きな方にぜひ!これぞまさしく、ブリティッシュ・スタイル!
最も有名なマーケットの一つと思われる、カムデン・マーケット