• 2023.11.29
  • 雨の日は本を片手に
私は本を読むのが大好きで、自宅の本棚いっぱいに本が並んでいると幸せを感じます。
ロンドンに住んでいると、書店選びの楽しみはほぼ尽きることがありません。
書店は魔法のような場所で、ひとたび足を踏み入れれば本の森に迷い込み、あちこち歩きまわって何世紀にもわたる知識に触れることができます。
私個人は電子書籍が好きではなく、実用的であることは否定しませんが、やはり紙の本には何物にも代えがたい魅力があると思います。
本が好きですから、もちろん、本を扱う場所も大好き。一番のお気に入りは、英国を拠点に店舗を展開する書籍小売業者ウォーターストーンズ(Waterstones)のチェーン店です。
ロンドンのピカデリーに位置するこの店は、6階建て(地下1階、地上6階)の旗艦店でヨーロッパ最大の規模を誇ります。
店内には20万冊以上の書籍があると言われており、本好きの方ならぜひとも訪れたいスポットです。
 
この店にはたびたび足を運んでいますが、伝統的なウォーターストーンズの店舗の特徴を、余すところなく大々的に備えていることは間違いありません。
地下1階のフロアには、主に旅行関連の書籍を取り揃えています。1階にはベストセラーが並び、2階にはさまざまな初版本を取り揃え、伝記ものが並ぶコーナーもあります。4階は建築や美術、食物や園芸など、5階は歴史や政治、言語、宗教、ビジネスなどの書籍を扱っています。
では、残り2つの階はどんなフロアでしょう?
3階は児童書が大部分を占め、6階の素敵なカフェからは、ピカデリー界隈の屋根やウェストミンスター寺院、国会議事堂が一望できます。
特筆すべきは、ウォーターストーンズの系列が経営するカフェ「W」で、旗艦店も含めて多くのチェーン店に併設されています。
この書店には、カフェWが2つのフロアで営業しています。1階のテイクアウト専門のカフェは、ドリンクを買ってそのまま外に出られます。中2階のカフェは本を片手にドリンクが楽しめます。なんと、買う前でも本が読めるんです!
そのほか、この書店の中にはさらに書店があります。5階のロシアン・ブックショップ(The Russian Bookshop)と呼ばれる、ロシア語の書籍を何千冊も取り揃えたコーナーで、ロシア語のネイティブスピーカーのスタッフが担当しています。
グロースター・ロードのチェーン店には、イタリア語の書籍コーナーもあります。
現在、旗艦店が入っている建物は、その昔、テーラー業を営むシンプソンズ・アンド・ダックス(Simpsons and DAKS)が自社の膨大な製品シリーズを収めるために建てられたもので(訳註:当時は百貨店でした)、1936年にオープンしました。
アール・デコの様式を全面的に取り入れつつ、現代主義や未来派、キュビズムの影響もうかがえる建築です。館内には今も設立当時のディテールを随所に見ることができます。
このほか、こぢんまりした書店でとても楽しいのはドーント・ブックス(Daunt Books)です。ロンドンの書店では随一の写真スポットとされているようで、本好きにとっては必見の場所です。
ドーント・ブックスが入っているのはエドワード王時代に建てられたすばらしい建物で、3階建ての造りや木製の棚、自然光が部屋に射し込む美しい窓が魅力的です。
旅行書を専門に扱う店で、ガイドブックにとどまらず、短編小説や語学書、回想録や歴史にまつわる読み物まで取り揃えています。
また、ピカデリーでは、1797年創業の、ロンドン最古の書店ハッチャーズ(Hatchards)も楽しめます。モスグリーンの外観で弓型に張り出したウィンドウや木枠が特徴的な、ビクトリア朝時代のディケンズの作品を偲ばせる素敵な建物です。
店内に入ると、王室の紋章がカウンターの後ろに飾られており、かつてこの店が英国女王の書斎にさまざまな本を納めていた頃を彷彿とさせます。
見事な木製の階段で繋がれた5階建ての建物で、雨の日には水たまりや街の喧騒を逃れて楽しめる、ピカデリー指折りのスポットの一つです。
ロンドンには何時間でも本を読めるカフェがたくさんあります。読書の邪魔をされたり、店を出ろと言われたりすることもありません。
ジメジメした雨の日には、ふと書店を訪れ、本を片手にコーヒーや紅茶を楽しむのは最高です。ロンドン市民にとってはこれも日常の一コマです。



特派員

  • ジャンフランコ・ ベロッリ
  • 年齢子(ねずみ)
  • 性別
  • 職業ブロガー/ミュージシャン

私がロンドンに引っ越してきたのは2年以上も前ですが、ロンドンの外国人居住者向けのニュースレターで、この大都市での体験や新しく引っ越してきた外国人向けのアドバイスを紹介するようになったのは昨年からです。ロンドンはとてもダイナミックな街で、だれもが楽しめるものがたくさんありますが、迷うことなく満喫するためには地元の人の目線を参考にすることが大切です。みなさんにロンドンの隠れた魅力をお伝えするガイドになりたいと思っています。

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