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  • 2020.09.29
  • 2つのバスコンセロス図書館
メキシコシティーには同じ名前の図書館が2か所あります。
どちらの図書館もホセ・バスコンセロスの名前がついているのです。

一つは有名なようなのでご存じの方もいるかもしれません。2006年にオープンしたメキシコ市立図書館のバスコンセロス図書館(Biblioteca Vasconcelos)です。この図書館はトリップアドバイザーで“死ぬまでに行きたい世界の図書館15”に選出されたり、アメリカの建築雑誌Architectural Recordで“世界で最も先鋭的でモダンな図書館”と評されたり、今年はアメリカのニューズウィーク誌で“世界で最も革新的な図書館”の2位に選ばれたりと注目度の高い図書館です。現代建築家アルベルト・カラチによる設計で、外観は一見普通の建物ですが、中に入ると近未来的でSF映画のセットのような光景に圧倒されます。



この図書館はシンメトリーになっていて、本棚が空中に浮かんでいるようなデザインになっています。中心にはガブリエル・オロスコによる大きなクジラの骨のオブジェが展示されています。蔵書は約60万冊だそうですが、200万冊分のキャパシティがあるとのことで、まだ蔵書が全くない棚もあります。
自由に利用できるパソコンや、勉強ができるデスク、ソファスペースなどのほか、子供の絵本がたくさんある部屋もあります。


書棚が整然と並ぶ様子は圧巻ですが、壁や柵が最低限という感じなので上の階ほど落ちてしまいそうで少し怖いです。子供を連れて訪れていたのでなおさらそう感じたのかもしれません。
カメラでの撮影は禁止されていますが、スマートフォンでの撮影は可能で観光で訪れている人もいます。

もう一つは、メキシコ公立図書館でホセ・バスコンセロス(Biblioteca de Mexico Jose Vasconcelos)です。先ほどの図書館とは対照的にこちらはとても歴史的な建物。





この図書館は有名ではないので外国人はあまり訪れていないようですが、シウダデラ市場の向かい側に位置しているため、お土産を買うついでに立ち寄るのにちょうどいいと思います。
蔵書はいくつかの部屋に分かれて所蔵されていて、クラシックな部屋もあれば、著名人の名がつけられた部屋などもあります。部屋のデザインが違うので、スペイン語が分からなくて本は読めない私も楽しむことができました。中庭もあり、のんびりと落ち着いた雰囲気です。





どちらの図書館にもその名前をつけられたホセ・バスコンセロスですが、彼は1882年にオアハカに生まれた弁護士で、政治家や哲学者としても知られている人物です。革命後に初の文部大臣に任命され学校や図書館の創設などに尽力しました。白人優位の状況に不満をもっており、前回記事で紹介した壁画運動の際は公共建築の壁面を芸術家たちに開放しました。
2つの図書館に同じ名前がつけられたのは複雑な理由があるようですが、雰囲気も印象も建物も真逆のこの2つの図書館は興味深くとても面白いと思います。

特派員

  • パドラ リボド 裕美
  • 年齢
  • 性別
  • 職業主婦

メキシコの首都、メキシコシティで夫と娘の3人暮らし。夫の仕事で来墨し、スペイン語はできないながらもママ友もでき、毎日を気ままに楽しんでいます。陽気で魅力的なメキシコのことをたくさん知ってもらいたいです!

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