• 2020.11.24
  • 死者の日
メキシコが一年で最も賑やかな季節が11月~12月、もちろん死者の日とクリスマスがあるからです。特に死者の日はディズニー映画リメンバー・ミー(原題Coco)の影響もあり、イベントもたくさん開催され本当に街が華やかでワクワクしてしまいます。
死者の日(Dia de Muertos)は11月1日と2日でメキシコの祝日です。1日は子供の魂が、2日は大人の魂が戻る日と言われています。ハロウィンと混同される場合もあるようですが全く異なる祝祭で、日本のお盆のような日です。この日は家族や友人が集まり、故人の思い出を語り楽しく食事をしたりと、メキシコらしく明るく賑やかに過ごすお祭りのような日です。リメンバー・ミーのおかげで死者の日の意味や過ごし方などなんとなく知っている人が多いのではないかと思います。この日が近づくと街はリメンバー・ミーの世界そのものに飾り付けられ、墓地にも派手な装飾を施すことがほとんどです。


カフェの店頭


デパート


デパート


ティッシュも骸骨デザイン

メキシコでは2500~3000年前から祖先の骸骨を身近に飾る習慣があったそうです。特にアステカ族に冥府の女神ミクトランシワトルに捧げる祝祭があり、時の移り変わりと共に死者の貴婦人カトリーナに捧げる祝祭へと変化したそうです。そしてさらにスペインからの侵略により、カトリックの死者の日とも融合して現代の形となりました。
死者の日にはかかせないものがいろいろあります。
まずは死者の花とも呼ばれるマリーゴールド。日本でもよく見かけるマリーゴールドは死者を導く大切な花。各家庭はもちろんレストランなど様々なところに飾られます。メキシコシティのレフォルマ通りもマリーゴールドが植えられ、その鮮やかなオレンジはとても目を引きます。



そしてオフレンダという祭壇。故人の遺影や死者のパン、飲料、菓子、果物、砂糖やチョコレートで作られた骸骨、キャンドル、故人が好きだった物、そしてマリーゴールドなどが飾られます。家庭では祖先の遺影ですが、レストランやお店などのオフレンダには著名人の遺影が飾られていることも多く、デコレーションも様々で派手なものがほとんど。むしろどれだけ豪華に派手に飾れるか競っているところもあるくらいです。


レストランのオフレンダ


スーパーのオフレンダ


シウダデラ市場


ソカロのメガオフレンダ

オフレンダにはメキシコの切り紙、パぺルピカドもかかせません。これはオフレンダだけでなく街中いたるところで飾られています。



食べ物でかかせないものは死者のパン(Pan de Muerto パン デ ムエルト)です。地域によって違うようですが、メキシコシティの死者のパンは最も定番のもので、丸い形に骸骨の骨をイメージしたデザイン、ほんのりオレンジの香りに砂糖がかけられている甘いパンです。スーパーやスターバックス、カフェにパン屋さんとこの時期はどこでも食べることができます。基本の味は同じですがお店によって様々なのでお気に入りを見つけてみるのもいいかもしれません。


スーパーの死者のパン


スターバックスの死者のパン


クリーム入り

死者の日は主にメキシコ南部で盛大に行われてきたようで、有名なのはオアハカ州やハニツィオ島なのですが、近年はリメンバー・ミーや007で国外からの注目度も増し、比較的どの地域でもイベントが催されたりすることが多いようです。メキシコシティも以前は街をあげてのイベントはあまりなかったようですが、今では毎年観光客がたくさん訪れパレードも開催されています。


去年のパレードの様子


去年のパレードの様子


レフォルマ通り

この時期は子供だけでなく大人も仮装やフェイスペイントをして楽しむ人も多いです。ハロウィンと日が近いので仮装もバリエーション豊富ですが、人気はやはり死者の貴婦人カトリーナなどの骸骨モチーフです。フェイスペイント用のシールなどはスーパーでも購入できますし、街中でペイントしてもらうこともできます。大きなマンションでは子供のために死者の日のパーティーが催されたり、幼稚園や学校でもイベントがある場合もあります。


フェイスペイント


フェイスペイント


仮装した人たち

日本のお盆とはかなりかけ離れた行事ですが、故人を思う気持ちはどの国の人も同じ。我が家はまだオフレンダを飾ったことはありませんが、来年は祖父母の写真を飾りメキシコ流のお盆を楽しんでみようかと思っています。

特派員

  • パドラ リボド 裕美
  • 職業主婦

メキシコの首都、メキシコシティで夫と娘の3人暮らし。夫の仕事で来墨し、スペイン語はできないながらもママ友もでき、毎日を気ままに楽しんでいます。陽気で魅力的なメキシコのことをたくさん知ってもらいたいです!

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