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  • 2015.12.14
  • 新年の伝統行事
イタリアで採用している暦は、すべての西洋諸国と同じく、国際的に受け入れられている1月1日から始まるグレゴリオ暦で、「西暦」「教会暦」とも呼ばれるものです。新年が始まる日については、古代ローマ人は3月25日、かつてのヴェネツィア共和国は3月1日、ビザンツ帝国の支配下にあったイタリアでは9月1日としていました。この無秩序な状態の中、ローマ・カトリック教会は法令によって1月1日を元日と定めました。グレゴリオ暦は、16世紀にローマ法王グレゴリウス13世が最初に導入したものなのです。

クリスマスは家族と共に迎えることを重んじるイタリア人も、12月31日つまり大晦日は友達と一緒に過ごすのが一般的です。カトリックの伝統では大晦日の聖人の聖シルベストロにちなんで、「聖シルベストロの日」とも呼ばれています。イタリアには新年のお祝いにまつわる伝統や風習が数多くあり、伝統に対する愛着と迷信への畏怖の念という2つの理由から、イタリア人はこの種の「儀式」を守りたがります。午前零時にキスを交わす、花火を見る、赤い装束を身にまとうなどの儀式は他の西洋の国々でも行われていますが、イタリアとリグーリア地方には、きわめてユニークな風習があります。

Photo 1 深夜の花火ショー


リグーリア地方では、元日の朝起きたら、ポケットにお金を入れて出かけると良い年を迎えられると言われています。さらにリグーリア地方には、オリーブの小枝を玄関の扉に吊るし、12月から元日にかけて毎日少しずつ燃やして行くことで、古い1年を終わらせるという習慣もあります。

しかし大晦日の晩餐に関しては、かつてはオイルで風味付けした茹でキャベツに自家製のパンとずいぶん質素な内容だったのが、昨今では豊富な食べ物を常に用意しておくのがお決まりになっています。チェノーネ(新年のご馳走)を盛大に並べて友人を家に招いてお祝いをする習わしがありますが、ショーなどの余興や伝統的な深夜のカウントダウンを行うレストランに食事に出かけたりもします。

Photo 2 多くの場所で余興や深夜のカウントダウンが行われます


大晦日の晩にイタリア人家庭の食卓に欠かせない食べ物は、ザクロの実、レンズ豆の蒸し煮、コテキーノ(豚肉を天然腸に詰めたゼラチン質のソーセージ)の3つです。
ザクロを食べることは忠誠心や子孫繁栄の象徴とされ、大晦日、この旬の果物をカップル同士で食べながら、互いに対する愛情と繁栄を祝福するのです。ザクロは赤い果物であり、赤は大晦日を象徴する色、そして愛と幸運の色とも言われます。

レンズ豆を食べるのは、イタリア全土で最も一般的な伝統と言えるでしょう。お金の形にそっくりのレンズ豆を食べて、新年が豊かで経済的な見返りに満ちた1年になるように祈願するのです。このレンズ豆は、やはり富と繁栄の象徴であるコテキーノと呼ばれる豚のソーセージに添えられることが多いです。

Photo 3 縁起のいいコテキーノのレンズ豆添え


大晦日の晩餐は、午前零時の直前に食べるのが一般的です。通常は、コースの1品目としてシャンパンのリゾットかラビオリが登場し、続くメインの料理には伝統的なレンズ豆添えのコテキーノ・ソーセージが出てくるのですが、この日の晩餐の絶対王者と言えば、数々のフルーツとデザートに軍配が上がることは間違いありません。午前零時を知らせる鐘の音とともに、暦の年の12か月に合わせて12粒のぶどうを食べるのは、新年の伝統になっています。

イタリアのどの家庭でも、ナッツとドライフルーツの盛り合わせで食卓を彩りますが、イタリアのクリスマスケーキとして知られるパネットーネも、最低1個は登場します。
パネットーネは風味も形も種類豊富なクリスマスケーキです。昔ながらのパネットーネと言えば砂糖漬けの果物やレーズンが入った柔らかなケーキですが、最近では、カスタードクリームやリキュールフィリングを使ってチョコレートをかけた新バージョンも出回るようになりました。

Photo 4 レーズンとドライフルーツが入った伝統的なパネットーネ


この他のイタリアの習わしで、危険を理由に徐々に廃れつつある(不法投棄と見なされる恐れもある)のが、古い壊れ物を窓から投げ捨てるというものです。窓の外に向かって古い物を放り投げながら、人々は過去のことを忘れ、明るい未来を見つめようと心を新たにしていたのです。

Photo 5 カスタードクリームとチョコレートを使ったパネットーネ


特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが自らの意思で「多文化人」となり、5ヶ国語が話せます。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界人だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで58カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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