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  • 2019.09.05
  • バラと音楽とスロットマシン
リグ-リア地方には、音楽とバラとギャンブルでとても有名な町があるのをご存知ですか。その町の名は、サンレモです。
サンレモと言えば、イタリアでは最も長い歴史を持つカジノのひとつ、サンレモカジノの発祥地。
建物の中にギャンブル台があるのはもちろん、サンレモカジノは、1951年の第1回目から1976年までのサンレモ音楽祭を筆頭に、イベントやパーティ、レセプションなど多数のイベントの会場となった場所です。
今も娯楽施設として営業中のサンレモ公営カジノ(Casinò Municipale di Sanremo)で、通路や明るい室内を見学できるガイド付きツアーに参加すれば、運、陰謀、ニュースにまつわる様々なストーリーを知ることができます。
1905年の開設以来、サンレモカジノは1世紀以上もこの都市有数の名所として一目置かれる存在です。サンレモ音楽祭の第1回目を筆頭に、数々のショーの会場となったことでも知られるサンレモカジノ。創造性あふれるリバティ様式と、列柱が厳かな雰囲気を漂わせる新古典主義をミックスした建物は、築100年以上経った今も正真正銘の名建築なのです。
もともとは1年のうちの数ヶ月間、夏期中心に営業していたカジノですが、1920年代から30年代頃に劇場としても使われるようになり、現在では毎年コンサートやダンスパーティ、劇場公演やショー、資金集めイベントなど多種多様な催しが行われています。
“ベル・エポック(Belle époque)”期が北欧の貴族たちの観光地として人気が上昇したサンレモの黄金期を象徴していると言えるでしょう。
激動の’30年代には、ファシスト政権が公営カジノのみを合法とし、その他の国内のギャンブルを禁じたことにより、サンレモは一躍、国際都市になりました。
しかし、第2次世界大戦時期はカジノにとっても苦難の時代でした。このアートと娯楽の殿堂も、戦争による打撃を受けて数年間は閉鎖の憂き目に遭っています。しかし1945年末、世界中のセレブリティたちを集めて絢爛豪華なガラパーティを行い、華々しく営業を再開したのでした。
’50年代になると、ピエール・ブセッティが総監督をつとめたイタリアで最初の音楽祭が開催されました。この音楽祭は今でもイタリアの音楽シーンの最高峰として位置付けられています。
この音楽祭が始まった時、サンレモ市は戦争で受けたダメージによる問題が山積みで、まさに苦境の真っただ中にある時期でした。公営劇場は爆撃を受けていたし、戦争が終わったばかりのタイミングでもありましたが、サンレモは戦争から抜け出して街の復興を図り、観光業と草花の栽培業において自らの役割を取り戻そうとしていたのです。
当時は娯楽といえばラジオしかない状態ですから、流行歌がいわば社会の象徴でした。最初の滑り出しはほとんど非公式で、音楽祭に対する世間の関心も薄かったようですが、結果としては大いに成功しました。
サンレモカジノはさまざまな有名人やカジノ経営者らの注目を集め、1976年までイタリア音楽の発信地であり中枢部と呼べるほどの存在感を持つに至りました。この年、サンレモに新たな劇場、アリストン劇場がオープンしました。
‘90年代に再度の移転を経たサンレモカジノは、賞レースに参加資格のないゲスト枠で外国人アーティストを出演させるようになります。53ものパートからなるオーケストラが全曲生演奏するのも、この頃に導入されて定番化したスタイルです。
スロットマシンの導入や内外装の全面リニューアルなど、’80年代に入って数々の変革がもたらされたサンレモカジノは、その盛況を末長く維持する決意を表明しました。世界中から集まる観光客やビジターに愛されるカジノ。そこでは、運試しや、ちょっとした好奇心に後押しされて、娯楽とギャンブルとラグジュアリーな体験が混然一体となったサイケデリックな現実の境界を越えることができます。


イタリアで合法的にギャンブルが楽しめる数少ない賭博場、サンレモカジノ

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが自らの意思で「多文化人」となり、5ヶ国語が話せます。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界人だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで58カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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