• 2019.10.23
  • サヴォーナはアルピーニ(山岳部隊)を迎える準備中
ジェノヴァの姉妹都市サヴォ-ナの話題は、教皇たちに関するブログ記事(実際、サヴォ-ナの別名は「2人の教皇を持つ都市」)で前にも取り上げたことがあります。ジェノヴァからわずか45分の街サヴォ-ナについて、今回はもう少し掘り下げてお話ししましょう。サヴォ-ナでは今年、アルピーニ(山岳部隊)のGathering of their First Group(第一旅団集会)が開催されることになっています。
第一旅団の山岳部隊というのはイタリア北西部のアルピーニです。2019年10月、サヴォ-ナは10万人もの人々の来訪が見込まれているんですよ。
サヴォ-ナ市内の通りで催されるパレードには、ヴァッレ・ダオスタ州やピエモンテ州、リグーリア州などイタリア北西部やさらには隣国フランスまで、各地にあるアルピーニ部隊の25の班から集まって来る隊員8万人と、その家族や介護者(隊員の多くは高齢者なので)が参加します。
サヴォ-ナ班にある51の旅団は、今回のこの一大イベントに向けてすでに準備が整っており、彼らの到着を出迎える行事の計画に奔走しているところです。
イベント開催前なのでこれ以上くわしいことは書けませんが、次回のブログではいろいろお伝えできると思います。

ではここで、サヴォ-ナという街のご紹介を少々…
6万以上の人口を擁するサヴォ-ナはリグーリア州サヴォ-ナ県の県都で、ジェノヴァに隣接する都市です。
サヴォ-ナ市はリグーリアン・リヴィエラの西部にあります。近くにはレティンブロ川が流れ、ジェノヴァとヴェンティミリアを結ぶフィオーリ線(最近、橋の崩落が国際ニュースになりました)とA6 サヴォーナ-トリノ線の高速道路2本のジャンクションからも至近距離です。
アルビッソラ・マリーナ、アルビソーラ・スペリオーレ、クイリアーノ、ヴァード・リーグレなどの市町村も入れた広範囲の市街部まで含めると、地域の住民数は15万人に達します。サヴォ-ナ市のシンボルと言えば、1600年代の航海士の名を冠したレオン・パンカルドの塔。毎週たくさんのクルーズ船や貨物船が入って来る港は、地中海地域でも重要な観光と貿易の拠点とされます。
現在のサヴォ-ナのメインストリートは、港から列車の駅まで街を貫くように走るアーケード街のパレオパカ通り。一方、見目麗しい貴族の邸宅が立ち並び、歩いていると中世時代にタイムトリップしている気分になれるのがピア通りです。
6つのアーチの上に立ち、かつてはTurris Perforataと呼ばれたTorre del Brandale(ブランダレの塔)は、1178年当時の面影をとどめる美しい鐘楼で、一度は訪れる価値があります。
マジョリカの紋章付きの時計が美しく、灯台の役目を果たしていた時代の名残で今も上部に火が灯されるブランダレの塔は、これを含めて50もの塔を代表する存在感を放っています。
当地の美術館の美術コレクションを収蔵する古色蒼然としたガヴォッティ宮に行けば、多翼祭壇画や手作業で作られた貴重な食器類を見ることができ、現代美術コーナーは絵画のギャラリーになっています。また、近くにあるPalazzo Pozzobonelloは、リグーリアン・ルネサンス時代の作品や16~17世紀の陶器などの素晴らしいコレクションを所蔵しています。
もとのノストラ・シニョーラ・アッスンタ大聖堂はプリアマール要塞建設の際に取り壊されました。1589年から1605年にかけて再建されたドゥオーモ聖堂には、19世紀から重厚なファサード、ドームが備わっています。また、この大聖堂には、年代や制作者も様々な絵画が大量に保管されています。
勾配が急な海沿いの土地でひときわ目を引くプリアマール要塞は、ローマ帝政が衰退したあとの集落に誕生した16世紀の建築物。19世紀に軍事刑務所となったこの要塞は現在、考古学博物館の一部として運営されています。
サヴォ-ナの街の中心部からはほとんどの主要なビーチにアクセスが可能です。有名どころで言えばFornaciやNatarella、Zinolaで、それらはサヴォ-ナの西端に位置しています。
サヴォ-ナの伝統料理の特徴は、典型的なリグーリア風の味付けとピエモンテ料理の融合といったところ。サヴォ-ナならではのメニューと言えば魚が主役ですが、他にもトリュフやペストソース、ファリナ―タ、フォカッチャ、キノコ、風味の良い肉なども揃います。それらのすべてを、かの有名なタジャスカ(カイエティエ)種のエクストラバージンオリーブオイルで仕上げたものがテーブルを賑わすのです。


サヴォ-ナ市の名所にして港湾エリアの目印、レオン・パンカルドの塔

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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