アーティチョークほか、リグーリア産スローフードのお話|パトリツィア・ マルゲリータ|ナレッジワールドネットワーク|アクティビティ|ナレッジキャピタル

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  • 2020.01.28
  • アーティチョークほか、リグーリア産スローフードのお話
美食の文化を教育の基本原則やアイデンティティとしてきたイタリアにとって、食物に使用される生物の多様性を維持することは、きわめて重要な理念と言えます。地域の生産物の保護を行う事業団体であるスローフード協会がイタリアで生まれたのも、まさにそれが大きな理由でした。
この団体は、世界各地に存在するたくさんの小規模生産者に対し、純粋に技術的支援を行いながら教育と交流の場を提供しています。スローフード協会が推進するプロジェクトは、基本的に地域の生物多様性の認識と保護、伝統的な食文化の普及を基盤とした持続可能な農業モデルを目指すものです。
リグーリア地方には、農家や畜産者、漁師の人々の歴史を物語るスローフード・プレシディオ(※絶滅の危機にある上質な製品の保持、固有の地方と生態系の保護、伝統的な加工方法の復活、その土地固有の品種や植物のバラエティの保存を行う認定制度)と伝統的な生産物が数多く存在します。それらの物語は、後世に語り継ぎながら守っていかなければならないものです。
私が知っているプレシディオの一例を挙げると、ほろ苦いオレンジフラワー・ウォーター、ヴェッサーリコ産ニンニク、アルベンガ産の紫アスパラガスとアーティチョーク、ブリガスカ産のヤギ乳、サヴォーナ産キノット、チンクエテッレ地域のシャケトラ・ワインなどになります。


トーマ・チーズ

有名なキノットを使った飲料やジャム、チンクエテッレ産のシャケトラ・ワインのブログは以前にも書いたので、今回は別の製品についてお話しましょう。リグーリア地方のあちこちで作られているほろ苦いオレンジフラワー・ウォーターは、お菓子やパン製品にデリケートな味わいを添えるエッセンスになります。
繊細な香りと強い風味を持つヴェッサーリコ産のニンニクは、ガーリックをふんだんに効かせたリグーリア料理のレシピにたくさん登場します。
アルベンガで採れる味わい豊かな紫アスパラガスは、世界的に見てもユニークな品種。その紫色は天然のもので、茹でてからタジャスカ・オリーブのエクストラヴァージンオイルに浸して食べると絶品です。
同じくアルベンガ産のアーティチョークは、もともとはフランスから輸入されたもの。棘がなく柔らかな実で、育った姿は山菜のようです。これもやはりタジャスカ・オリーブオイルを添えて、生で食べるのが最高とされます。
ブリガスカのヤギ乳は、トーマと呼ばれるチーズの材料になります。
それではここで、我らが自慢のアーティチョークを使った伝統的なレシピをご紹介します!
リグーリア風アーティチョーク・パイ


リグーリア風アーティチョーク・パイ


材料:
フィロ生地
中ぐらいの大きさのアーティチョーク 8個
ヤギ乳のソフトチーズ 200g
卵 1個
パルメザン粉チーズ 50g
ニンニク 2かけ
エクストラヴァージン・オリーブオイル 大さじ3杯
小さめのレモンの果汁 1個分
パセリ
マジョラム(生またはドライのもの)
塩、コショウ

作り方
私は市販のパイ生地を使って簡単に済ませますが、伝統的なレシピでは自分で生地から作ることになっています。
アーティチョークの固い部分を取り除いてきれいにしたら、底から縦に二つに割ります。
V字状にカットしたアーティチョークを、レモン汁を加えた水にひとつずつ入れます。大きめのフライパンで油を熱し、つぶしたニンニクをじっくり炒めます。ニンニクが茶色くなったところで取り出し、アーティチョークを入れて数分ソテーします。塩とスプーン一杯の水を加えたら蓋をして、アーティチョークがしんなりして水分がなくなるまで蒸し煮します(約10分)。火を止め、みじん切りのパセリを散らして冷まします。
ボウルにチーズを入れて軽くフォークでつぶし、全卵とパルメザン、マジョラムひとつまみを入れて混ぜたものにアーティチョークとコショウも加えます(塩加減をみて調節します)。
油を薄く吹き付けた型にフィロ生地を置きます。表面の高さまでフィリングを入れたらその上にもう1枚の生地をかぶせます。型の端から1㎝ぐらい出るようにハサミで余分な生地をカットしたら、細い紐状にして合わさった2層の生地の縁に乗せます。生地の表面にはブラシで油を塗り、最後に楊枝で穴を開けておきましょう。
200℃のオーブンに入れて45分、黄金色になるまで焼きます。このパイはほんのり温かい状態で、または冷たくしたものを召し上がれ。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが自らの意思で「多文化人」となり、5ヶ国語が話せます。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界人だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで58カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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