• 2020.02.17
  • 美しいポルトヴェーネレとパルマニア島
リグーリア地方を訪れるほとんどの人のお目当ては、特に有名なチンクエテッレ地域やジェノヴァ市です。
でも、この地方で興味深くて美しい場所は、他にも数多くあるのです。
ポルトヴェーネレとその群島も、そのうちのひとつ。

歴史ある建物が立ち並ぶポルトヴェーネレは、ある種「ヴィンテージ」な空気が流れる小さな村。見て回るのに半日もあれば事足りますが、至宝とでも呼びたいスポットです。
ポルトヴェーネレに通じる列車はないため、アクセス方法としてはチンクエテッレから船で行くことになります。
とてもカラフルで興味深い村、 ポルトヴェーネレ。
村に2つあるメインストリートは、ちょっとひと休みするのにもいい雰囲気です。色とりどりの小さな家々、湾やパルマリア島の眺めを楽しんでください。


ポルトヴェーネレのカラフルな家並み


ここで見学できる教会は、サン・ピエトロ教会とサン・ロレンツォ教会の2つです。
この2つの教会は12世紀に建てられたもの。サン・ピエトロ教会はポルトヴェーネレの中心部にあります。改修工事を終えたばかりなので、建物はとても良い状態です。ただし、徒歩や船でこの村を訪れる人を最初に出迎えるのはサン・ロレンツォ教会です。
この一風変わった教会は、塔で囲まれた古代の要塞のようにも見えます。
村にはこれらの他に、ドリア城というお城もあるんですよ。


サン・ピエトロ教会


この崖の上にある綺麗なお城は、ポルトヴェーネレの名所として重要なもの。建築年月日は不明ですが、12世紀から14世紀頃と言われています。ドリア城広場からは、ポルトヴェーネレやサン・ピエトロ教会の素晴らしい眺めを望むことができます。
ポルトヴェーネレの正面には小島群が浮かんでいます。
村のちょうど目の前にあるのがパルマリアの島々。夏にはティーノ島やティネット島までボートを出して、シュノーケルやダイビング三昧もいいですね。内陸部はポルトヴェーネレの国立公園の中心部になっています。豊かな緑が生い茂る中、村の見事な海岸線を眺めながらハイキングを楽しめます。
先ほどもお話したように、ティーノやティネット、パルマリア、それから当地に何か所かある洞窟まで、いずれも船に乗れば短時間で行くことができます。
パルマリアはリグーリア沖で最大の島。ウンベルト1世要塞やカヴール要塞、ポッツァーレやテッリッツオといった小さな村落など、パルマリアにもいくつかの名所があります。ハイキングコースも複数あって、1日あればこの島を歩いて回れます。


ポルトヴェーネレの村

ポルトヴェーネレからリオ・マッジョーレ(チンクエテッレ国立公園に5つある集落のひとつ)までは、チンクエテッレ全域を走るセンティエロ・アルト(「高い道」と呼ばれるルート)から行くことができます。いかにもこの土地らしく豊かな緑の中を通るコースですが、リオ・マッジョーレまで歩きたくないなら1㎞ほど迂回してMuzzerone要塞まで歩き、ポルトヴェーネレまではもっと短い歩道を通って帰ってくることも可能です。
モノレールや円形劇場の建築、各種の施設を高級ツーリズム向けにホテルに改造するリノベーションなど、残念なことにパルマリア島で進行中の工事計画があるそうで、来年には10万人以上の人々がこの島を訪れるとの見通しが出ています。
私がここに来るたびに気付かされることは、数知れません。島の静けさ、自然の驚異、変化に富んださまざまな場所に潜む感動の体験。要塞、ビーチ、鳥類学者たちがわざわざ観察に訪れる鳥の巣、ホタル…これらのすべてが、いわば楽園の一部なのです。
そんなこの島がこれから開発され、ホテルに出入りする観光客がモノレールで大挙して押し寄せるなんて、想像を絶することです。
自然は手を加えずとも、それ自体で完璧な存在です。朝方に訪れて夜には立ち去るというスローツーリズムのスタイルで、私たちを楽しませてくれるパルマリアを守り、保存していくべきなのです。


穏やかな時が流れるパルマリア島

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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