• 2020.03.13
  • バトル・オブ・フラワーズ(と、ヴェンティミリアの町)
La Battaglia dei Fiori(「バトル・オブ・フラワーズ」つまり「花々のバトル」)はお花の山車によるパレード。我らが麗しきリグーリア地方の町、ヴェンティミリアで毎年行われている催しです。
これは20世紀初頭、カーニバルの季節と春の訪れを祝うものとして始まったイベントですが、1930年ごろに公式キャラクターを獲得し、細かく定めたルールのもとに毎年開催されるようになりました。
ヴェンティミリアのバトル・オブ・フラワーズは、観光省が発行するEvents of Italian Heritage and Traditions(イタリアの遺産および伝統の行事)に認定された35の国家イベントの1つです。毎回異なるメッセージや名前、テーマごとのコンセプトなどを盛り込んだたくさんのお花の山車は、その道のプロたちがしのぎを削って仕上げたものばかり。それらの山車は、お花に異素材(野菜や草木に限る)を組み合わせて作られています。
とても人気のあるこの行事が近隣エリアで見られる類似のフラワーイベントとはっきり違うのは、開催年ごとに山車のテーマが異なること、なおかつそのテーマを盛り込んだ山車は、花のモザイクで完全に覆われていなければならないということです。
バトル・オブ・フラワーズは10年ほど前から、開催前の土曜の夜に行われるナイトパレードで、その年の花の山車たちが初お目見えの舞台を飾っています。花火が打ちあがり、夜を徹して盛り上がるうちにこのパレードは終了。明けて日曜の午後、音楽隊や各チームの人々を従えた山車が登場し、祭りのクライマックスであるバトルが本番を迎えます。
ドレスアップして山車の上に乗った人たちが、大量の花を互いに向けて投げ合います。夕方、衣装と山車の最優秀賞の授賞式が執り行われ、お祭りはこれで幕を閉じます。
このイベントとその名前「バトル・オブ・フラワーズ」が、自由と平和を象徴していて、私は好きです。お花を放り投げ合うという行為は、戦いではなく平和の象徴ですよね。この世界は、美しい色と善き思想で満たされた理想的な場所だと、パレードを見ている時は思えたりするのです。
バラやデイジー、カーネーションが雨あられと舞う中を、威風堂々たる山車が音楽のリズムに合わせて進んでいく光景を想像してみてください。一見の価値ありでしょう?

空から飛んでくる大量の花をよけるため、テニスラケットか何かを持参するのが賢明だというのは、このエキサイティングなイベントに参加したことがある人なら周知の事実。伝統衣装に身を包んで山車の上に乗った人たちも、この日のために装飾を凝らしたラケットを見せつけてきます。色とりどりの花が織りなすブランケットが街を埋め尽くす景色が素晴らしいので、このお祭りはぜひとも最後まで見届けるべき。それはまさに、ショータイムそのものです!
イタリアのイベントというイベントがそうであるように、このお祭りもやはり、そそられる食べものやアトラクション、楽しそうな屋台などの誘惑に満ちています。
入場券はネット購入もできるので、スムーズな入場が可能。
インぺリア県にあるヴェンティミリアは見どころや名物が多く、そのどれもが甲乙つけがたい、魅力的な町です。

実際、このお祭りのほかにもヴェンティミリアが誇る見どころはいくつかあります。たとえば、白い岩から海を見下ろせるバルジロッシ。湾岸道路から簡単に行ける場所にあります。その内部にはgrotto del principe(王子の洞窟)など、先史時代の洞窟が残っています。ここにあるバルジロッシ博物館は、洞窟で発見された考古学的な遺物を所蔵しています。
街を訪れるなら、Colla 歩道から出発して聖堂を目指すのがいいでしょう。この聖堂は12世紀の建物で、古代の異教の寺院跡に建っています。自然大好き派なら、世界中の外来植物が集まっているハンブリー 植物園をお見逃しなく!



リグーリアのバトル・オブ・フラワーズの山車たち

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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