• 2021.06.07
  • 教育農場-エコフレンドリー体験
ロックダウン後は特にそうですが、家の外で過ごせる時間を誰もが欲している今日この頃、さまざまな参加型のエコフレンドリー体験に関心が集まっています。
今回のブログでは、教育農場とその開業に必要な条件について書いてみようと思います。

ある友人が、所有している温室を拡張して教育農場を開業することを決めたのですが、最初に研修のクラスを受けて資格を取得する必要があるのだそうです。
子どもも大人も参加可能な教育農場は、リグーリア地方を含めイタリア全域にあり、昔ながらの農法に忠実に、食べものがどのように生産・製造されているか、健全で自然な環境で動物たちがどのように飼育されているかを間近で学ぶことができます。
農場で体験できるアクティビティも盛りだくさんで、チーズづくりや牛の乳しぼり、農場の飼育動物のお世話といった一日ワークショップなど、家族みんなで農村の世界を身近に感じられるようなものばかり。
そのほかにも、野菜農園の手入れや果樹園での栽培仕事、種蒔きサイクルや養蜂について教わるなど、子どもも大人も参加できるアクティビティの内容はさまざまです。
一日の終わりには、見学したり実際につくったりしたナチュラルでオーガニックな生産物を味見することもできます。良い食べものとは何か、その理由も含めて子どもたちが考える訓練になりますよね。

農場で体験できるアクティビティにはペットセラピーもあります。
人間と動物の交流による療法で、近年は目覚ましい効果があることがわかってきたペットセラピー。行動や心身に困難を抱えた児童や若者にとって、大いに有益だと言われています。
良く知られているロバセラピーは、パーソナリティ障害や鬱(うつ)の症状がある人に対して特に有効です。
ロバには実際、我慢強さや小柄な体、触れた時の柔らかな感触、愛らしさといった特徴がありますね。患者たちは少しずつロバに近づき世話をしていきます。そうするうちに信頼関係が生まれたら、鞍にまたがって美しい自然の景色の中を散歩し、気分が改善されていくのです。
仕事や勉強の日々が続いたあと、都会の喧騒を逃れて心身の健やかな状態を取り戻したいなら、家族みんなでリグーリア地方に数多くある教育農場に出かけるのが理想的な解決策でしょう。自然いっぱいの健康的な環境で、大人も子どもも一緒に楽しみながら学べるアクティビティを体験できます。
動物というのは癒しを与えてくれるものだと思います。
教育農場は、ゲストに農場で行う作業に参加してもらうためのものです。
イタリアでは、自分の農場を教育農場にするためには地域ごとに定められた手順を踏まなくてはなりません。
教育農場とは自然のままの環境であり、社交的で異文化が交わる場所、そして生態系について学べる校外学習の場でもあります。一般的に猫、犬、クジャク、イノシシ、ロバ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、ポニー、オウム、ラマ、鳥やカモなどのペットや家畜が飼育されています。
多くの場合、すべり台やブランコ、トランポリンが置いてあるなど、キッズ用の遊び場も備えています。
農場が目指しているのは、子どもたちに知識と環境教育を提供し、動物が生息する環境に対する興味をかきたてること、人と動物の関係性を教えること、子どもたちの情緒面での欲求と創造性を後押しし、動物と良好な関係を築くことです。
このような農場に来た子どもたちはみんな楽しく過ごしています。動物を大事にすること以外に窮屈なルールもなく、見学したり遊んだり、思う存分走り回ったりできるのですから。生き物と植物をすべて一緒に学んだあとは、美しい大自然の中で軽食や手づくりのお昼ごはんが振舞われます。
午後の軽食も棒の形をしたキャンディや袋菓子などではなく、オイルか作り立てのバターを添えたパン、フリッタータ、野菜スティックと固ゆで卵などの手づくりの伝統的なメニューが並ぶことが多いようです。


教育農場のラマたち


教育農場の猫たち


教育農場のヤギ

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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