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  • 2022.06.20
  • エンティエロ・デ・ラ・サルディーナ(イワシの埋葬)
2022年5月21日は、ジェノヴァ市にとって特別な日になりました。これからも末永く続く伝統になるようにとジェノヴァっ子が期待する、新たな行事の記念すべき第1回目が開催されたのです。
この日、初開催を迎えたのは、エンティエロ・デ・ラ・サルディーナ(Entierro de la Sardina)というお祭りです。
1日がかりでお祝いするこの行事は、名前からも分かるようにスペイン生まれ。イタリアのジェノヴァで、なぜスペインの祭りを?と、読んでいて不思議に思った人もいることでしょう。
イタリアの市や町は国外の自治体と、時には複数のところと姉妹都市関係にあることが多いのです。むしろ、ほとんどの都市がそうだと言った方がいいかもしれません。
さまざまなコラボレーションや文化交流活動、商業提携を生みだす姉妹都市は、欧州連合内の自治体間の交流を活性化するためのEUのプロジェクトのひとつでもあります。
スペイン南東部のムルシア市がジェノヴァ市の新しい姉妹都市になったのは、去年の11月のことでした。

昨年、両市が姉妹都市提携を結ぶにあたり、互いの行事を通して文化交流を図る方針が決定され、ムルシアはエンティエロ・デ・ラ・サルディーナをジェノヴァで5月に開催し、ジェノヴァはクリストファー・コロンブスの新大陸到達にまつわるイベントを10月にムルシアで行うことになったのです。
エンティエロ・デ・ラ・サルディーナは、「イワシの埋葬」という意味のスペイン語。カーニバル(謝肉祭)の季節を締めくくる祭りで、ムルシアでは1850年から行われてきた歴史ある行事です。とにかく愉快でゴリアール(中世ヨーロッパに見られた、酒飲みでパフォーマンス好きの放埓な聖職者集団)的なこのお祭りは、ジェノヴァで壮大に開催されました。さまざまなイベントが2年以上も中止されていたためか、はたまた今回が初めて開催されるお祭りということもあって主催者側も人々を感動させようと必死だったからか、結果は大盛況で、本当に楽しいイベントとなりました。


ジェノヴァの姉妹都市、ムルシア

祭りの幕開けは、朝のパレードから。ムルシアとジェノヴァの旗を振る旗手を引き連れたパレードが、コルヴェット広場やフェッラーリ広場などジェノヴァ市内の主要な広場を練り歩きます。


パレードの旗手たち

フェッラーリ広場のちょうど真ん中にそびえ立つのは、スペインから持ち込まれたパピエマシェ(張り子細工)のイワシ。2つの市の名前が書かれたこの美しいイワシのオブジェは、成形も着色も手作業で仕上げられたものです。


パピエマシェのイワシ

大量のおもちゃや小物を子供にも大人にも配っているのは、スペインのパフォーマー集団のサルディネーロス。ほかにもフラメンコダンサーやコスチューム姿で竹馬に乗ったキャラクター、宙を舞う風船など、パレードにはワクワクする演出が盛りだくさんです。
昼のパレードが終わったあとは、ムルシア市の提供により、米と魚介類を使ったスペインの名物料理・パエリアが無料でふるまわれました。ムルシアのイベントに昔から出資してきたメーカーのスペインビールも有料で味わうことができ、その収益はジェノヴァの有名な小児病院、ガスリーニ病院の支援に関わる有志団体に寄付されました。

夜の9時になると、おとぎ話の世界から飛び出したようなカラフルな山車、空気で膨らませた巨大なキャラクター、綺麗に飾られた音響カーから流れる音楽に合わせてパフォーマンスするダンサーやミュージシャンなどを引き連れたパレードが再び登場します。
会場はさながら万華鏡のような色の洪水の中、大迫力のつむじ風のような音楽とダンスが繰り広げられ、まるで過去と現在が入り混じったようで、人々は言葉を失ってパレードに見入っていました。
パレードがフェッラーリ広場まで来たら、祭りはいよいよクライマックスを迎えます。立派なパピエマシェのイワシに火が灯されるのです。このオブジェのお焚き上げは、ムルシアで縁起が良いとされている習わしです。
集まった人々に見守られながら火を点ける大役を果たしたのは、ジェノヴァ市長とムルシア副市長でした。


燃え上がるイワシのオブジェ

お焚き上げはレント(四旬節)に行われることが多く、断食と断酒の象徴とされています。
燃え尽きたあとには、金属製の「イワシ」の骨だけが残されます。
最後にDJの奏でる音楽に合わせて暖かな夜の空に豪華な花火が打ち上げられて、お祭りはお開きとなりました。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが自らの意思で「多文化人」となり、5ヶ国語が話せます。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界人だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで58カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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