かつては動物の剥製や化石のコレクションがシンプルに展示されているだけでしたが、現在の自然史博物館は、よりモダンなものになっています。
この自然史博物館は、旅行家兼コレクターであったジャコモ・ドリア侯爵の遺言により1867年に設立されたジェノヴァ市の施設です。
その建物ですら歴史的でたいへん美しく、異なる時代の荘厳な雰囲気が漂っていて、外から見るだけでもうっとりしてしまうほど。
ここは、19世紀にジェノヴァの探検家や船長たちによってイタリアに持ち込まれた400万点以上もの動物や植物の標本を収蔵する、貴重な自然史博物館なのです。
ではこの博物館で最も魅力的な展示は何でしょうか?
個人的な考えを言えば、何百万点に及ぶ昆虫の標本と、1878年にジェノヴァ近くのモンテロッソの海岸で死んでいるのが発見された、全長20メートルほどのクジラの骨格は圧巻です。
ここの展示は2フロアに及んでおり、哺乳類を集めた展示室に加えて古生物学と企画展示専用のホールも2つあります。1階には6つ部屋があって、うち4部屋にはそれぞれ鳥類、爬虫類、両生類、魚類の脊椎動物が専門に展示され、残りの2部屋には昆虫とその他の無脊椎動物が展示されています。
「セル・ルーム(細胞の部屋)」では、10万倍に拡大された細胞が立体的に再現されています。そして博物館の最後の展示室は鉱物のコーナー。映画「ナイト ミュージアム」に登場するような、小さめとはいえやはり大きなゾウが展示されているメインのホールとともに、特に素晴らしい展示でした。
博物館内で最大の標本は、海の色の壁を背にひときわ目を引く1878年に収集されたクジラの骨ですが、先ほどお話しした古代イタリアのゾウの骨も引けを取らないスケールです。
人類より前の時代に生きていた動物や、19世紀の偉大なる探検家たちが発見したという標本、人間のせいで絶滅してしまった動物、そして小説や映画に登場するような生き物といった、動物と人間にまつわる物語や冒険を伝えてくれるような展示なので、注意深く目をこらして観察してください。
博物館の150周年記念に合わせて、子ども向けのパネルがたくさん追加され、大人向けパネルと並べて設置されました。子ども向けパネルは、アニメを使った楽しいグラフィックで動物にまつわる面白い話題を解説しています。
簡単ななぞなぞや童謡、年齢にふさわしい言葉を使って、小さなお子さんたちの観察する目を養うように作られています。
3歳の息子と一緒に訪れたときも、展示室内のカラフルなパネルを見つけるのがとても楽しかったです。複雑な自然界を理解しながら観察したり比較したりできるようになっていて、子どもたちの生まれ持った好奇心を刺激してくれます。
他の博物館や美術館と同じく、ジャコモ・ドリア博物館も個人で見学することができますが、ガイド付きのアクティビティやオーダーメイドのツアーに参加すれば、子どもたちにはより刺激的な時間となることでしょう。
博物館では、常時さまざまな年代向けのワークショップやアクティビティも行われています。すべてのアクティビティは、「Can you tell me a story?」と呼ばれるミュージアム教育団体の協力によって開催されています。
3~5歳の幼児向けには、人形を使ったり、童話や歌で動物の世界を教えてくれたりするアクティビティが開催されています。
6歳以上の子どもたちは、クイズやなぞなぞに参加することもできます。
そのほか、植物学者と一緒に植物を探したり、海洋生物学者や古生物学者とともに出かけたりするアクティビティも企画されています。
ジェノヴァはとにかく子どもに優しい街。子どものためのアクティビティやイベントも多く、どれも無料か低価格で参加できるのが何より嬉しいですね。