「ストア」は一般的に、世界各地に多くの店舗をチェーン展開している大企業の有名ブランド店を指します。大抵の場合、大型のショッピングモールとか、街の中でも人が集まる場所に店を出しています。
「ショップ」は世界展開していない、規模の小さなイタリアのブランドを指すことが多いです。ショップには、フラワーショップや文具店、下着ショップなど、ある1つのカテゴリーのみを扱う専門店も含まれます。
「ブティック」は通常、洋服、ハンドメイドの家具やジュエリーなどを販売するお店です。チェーン店ではなく、値段も普通よりは高めですが、品質はショップに比べて格段に良くなります。ジェノヴァにはブティックがたくさんありますが、それらの多くでは地元で製造されたハンドメイドの製品を販売しています。
まずは、大切なお話から始めましょう。
イタリアではみんな、毎週スーパーやショッピングモールに買い物に出かけます。大抵の場合、専用の駐車場があって行きやすいですからね。
ですが、イタリア人は「本物のイタリアの味」を伝え続ける地元経営のショップに日ごと通うのも大好きなのです。
果物や野菜を買うときは青果店へ。こちらでは、カットされた野菜や調理済みのスープ、ミネストローネ用の具材などが手に入ります。ほかにも、精肉店やデリカテッセン、パン屋さん、「ラッテリア(latterie)」と呼ばれる牛乳と乳製品を販売するお店もあります。
最初の乳製品店が登場したのは19世紀末のこと。単に牛乳やチーズ、プリンなどの商品を販売する小さな店でした。その後、いわゆる戦後の好景気とアメリカ式のスーパーマーケットの登場により、これらの小さな乳製品店はランチタイムだけ営業して、おいしい家庭料理をお手頃価格で提供する店へと様変わりしました。これがカフェ(イタリアでは「バール」と呼ばれています)になり、食料品の販売は二の次になったというわけです。
イタリアの新聞販売店・キオスクは、新聞のほかにもコレクション用の付録が付いた定期刊行物や専門雑誌、タブロイド紙、子ども用のシールブック、小さなおもちゃやバスの乗車券なども取り扱っています。キオスクの店舗はだいたい深緑色で、お客さん、とくにキッズの視線を集めるようなものをあれこれ並べています。
イタリアの新聞販売店、キオスク
陳列された雑誌
キッズ向けのシール
タバコや切手、お菓子などを買いたいときには、タバコ店(Tabacchi)に行きましょう。
イタリアのタバコ店の歴史はとても古く、高く評価されているビジネスです。
1900年代初頭のこと、タバコ店はマラリアの症状を抑える重要な物質「キニーネ」の流通拠点として一役買いました。マラリアが猛威をふるっていたイタリアでは、タバコ店は人々にキニーネを配布するのに理想的な場所として、あっという間に認知されたのです。店頭には、そのお店が所属する自治体によって割り当てられる番号が掲示されています。要するに、各タバコ店にはナンバープレートが付与されるのです。
これは国家独占管理局、つまり専売局が、黒地に大きく白抜きで「T」と表示するよう義務付けているのに対応したものです。
プリペイド式携帯電話の通信料チャージや各種料金の支払い、スクラッチカードやお菓子・飲料などの多彩な商品の販売など、現在のタバコ店で提供されているサービスの豊富さには驚くほどです。
宝くじの販売のほか、営業時間中に遊べるスロットマシンが置かれているお店も多いです。店が閉まっているときは、18歳以上であればシャッターに設けられたスリットから使用できる自動販売機でタバコを購入することができます。購入には、有効なIDを機械に挿入して年齢認証を行う必要があります。
食料品の買い出しなら、午前中のみ営業している地元の屋内市場も非常に人気です。
ここでは農家や漁師から直接仕入れた新鮮な食材を販売しているので、値段も安価だし商品が売れるスピードもとにかく速い!
通常、朝の6時頃に開店するので、早起きさんにはぴったりの場所ですね。