• 2023.11.09
  • ブログ リグーリア‐イタリアの店舗経営事情
お店の経営というのは簡単なことではなく、さまざまな面でスキルが求められます。経営する店舗の分野に関する知識、スタッフや顧客と人間関係を構築するテクニック、さらには経済や金融方面の知識まで必要になりますからね。
私にも店舗で働いている友人が何人かいますが、自分の店かフランチャイズ店を経営している人も大勢います。
イタリアでは多くの分野で官僚主義が強く、この業界もその影響を受けています。
毎日のように新しい法律や法案が施行され、自由貿易の定義に当てはまっているとはとうてい言えない状況です。
イタリアで一番重要な法律のひとつに、営業時間に関するものがあります。イタリアでは国が開店時間を決定するわけですが、地方にも商いに関する権限があり、開店および閉店についての義務を含む規制を実施することができるのです。

先ほども言いましたが、開店や閉店に関する指針は国の法律で定められています。小売店の営業時間は午前7時から最大午後10時までです。お店の経営者はこの時間枠の中で営業時間を決めるわけですが、日に13時間以上連続して営業することはできません。
一般的に、商業施設は日曜や国民の祝日に加えて、平日のどこかで半日休業するという規則に従わねばなりません。
どういうことかと言うと、月曜にはペストリーショップが休みになり、散髪に行くこともまずできません。レストランやピッツェリアもやはり、月曜と水曜に閉まるお店が多く、文具店も月曜に営業しているところはなく、衣料品店は普通、木曜の午前は閉まっています。これらは、イタリア人ならみんな知っていることなのです。
なぜそうなっているのかは聞かないでくださいね。
ミラノやローマのような大都市の事情はいささか異なり、お店(たいていはチェーン店)は大体いつでも営業しています。

イタリアの地方行政区、とくに基礎自治体(コムーネ)は、その地域の特性に合わせて法を改正する権利を与えられています。実際に基礎自治体では、日曜祝日の閉店義務を免除する日を決めることも可能で、観光業が盛んな地域や芸術都市では、開店および閉店時間を店主が自由に決定し、日曜と祝日の閉店義務を免れることができるのです。
とは言え、自治体は都市の安全と作法遵守を担保するため、秩序を保つ必要性が証明された場合には、例えば酒類の販売や提供の時間を制限するなど、店舗の経営活動に介入したり、停止したりする権限を行使することもできます。

年配の方によると、昔はもっと厳しかったそうです。
今日、労働時間が自由化されたとは言っても、労働者は労働時間について保護されており、就業時間外の労働に対しては割増賃金を受け取る権利が与えられています。
私たちは昨今、消費が増加しているのを目のあたりにしていますが、すべての商品カテゴリーで増加しているわけではありません。消費者は時間の使い方を選ぶ機会を提供されているおかげで、休日でも買い物ができ、仕事と家庭の負担をうまく調整できるのです。
とくに臨時営業日においては、経営者ができる限り効率的に、顧客の流入やさまざまな支払い方法を管理できるようにすることが大切です。そして、忘れてはならないのは、インターネットやオンラインショップが今や彼らの最大の競争相手だということです。
より安い価格と迅速な配送サービスで商品を販売する有名なウェブサイトとの競争で、イタリアでは多くの店舗が苦境に立たされています。
街の中心街をぶらついていても、これが原因で閉めることになったお店を目にすると、何とも悲しい気分になります。
その昔から何代にもわたって受け継がれてきたお店も多いため、とても残念です。


扉に貼られた店主手書きの「閉店、好機を待つ」のメッセージ

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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