• 2024.09.04
  • ブログ リグーリア‐夏といえば・・・
'90年代にヒットした懐かしいダンスミュージックに「Summer is magic(夏は魔法)」というさびの一節があるように、イタリアでは夏は特別な季節です。
イタリア人が夏を愛するのにはいくつもの理由がありますが、年齢を問わず誰もがみんな、屋外で長い時間過ごせるこの季節を謳歌しています。
この時期のイタリア半島はとても暑くて湿度も上がりますが、山や湖、海岸エリアや緑の多い田園地帯に恵まれた国なので、誰にでも楽しむことができる何かがあるというわけです。
6月上旬から9月上旬までの3か月は学校が休みになるので、子どもたちはこの季節が大好きです。子どもの夏休み期間中も親は仕事をしなければならないので、ちょっとした悩みのタネとなりますが、イタリア人はたくさん休暇が取れるのです(国民の祝日を除いて、年に4週間ほどの休暇があります)。
一緒に旅行したり、田舎の家や海辺に行ったりして子どもたちが夏休みを祖父母と過ごすのも珍しくありません。

さて、イタリア人にとって夏はどんな季節なのでしょう。
夏といえば…

もちろんビーチです。公営だろうが私営だろうが、イタリア人は夏に海に行くことを半ば「義務」のように思っています。誰もが海を好きかというと、必ずしもそうとは限りません。ですが、特に海岸沿いの町で暮らす人にとっては、ビーチは友人と会ったり子ども同士を遊ばせたりする社交の場なのです。

アイスクリーム・パーラーで過ごす夜も、夏の風物詩です。店は一日じゅう営業していますが、夜になると人々の社交場に変わります。夏の数カ月だけ営業している店もあり、たいてい屋外にテーブルを設けています。観光客にはわかりづらいこともありますが、このスペースはウエイターに注文し、あらゆるトッピングを乗せた巨大なサンデーやミルクシェイクを持って来てもらう「テーブルサービス」専用です。コーンやカップに入ったアイスを買いたい人は、店内のカウンターで注文し、席には座らずに商品を持って店を出るというシステムです。
また、夏の間だけしか食べられない、凍らせた天然果汁やシロップ、コーヒーなどを細かく砕いた氷菓「グラニータ(Granita)」はぜひ試してほしい一品です。

夏に開催される食の祭典、サグラ(Sagre)も忘れてはいけません! 果樹園や森林、絵のように美しい村々や海辺など、ありとあらゆる風光明媚な場所で食にまつわるお祭りが開催されます。各会場にはイノシシ肉や魚のフライ、コーンミール、ペストなどの名物料理があり、デザートを含むたくさんの料理が提供されます。サグラについては、過去のブログでもご紹介しました。


食と音楽、子ども向けエンターテインメント、そして美しいロケーションを楽しめるサグラ

花火見物も毎年欠かせない夏の風物詩です。花火は海上に打ち上げられるので、たいてい海辺に集まります。なかには音楽と共に打ち上げられる花火もありますが、多くの花火大会は村の守護聖人を称えて開催されます。ピザなどのテイクアウトの食べ物を片手に、友人と一緒にビーチに腰を下ろして見物するのが定番です。

魚のフライは一年中食べられますが、アイスクリームやグラニータと同じく夏らしい食べ物です。イタリア語では単に「フリットミスト(fritto misto、ミックスフライの意)」と呼ばれていて、衣をつけて揚げたイカやタコ、新鮮なカタクチイワシ、エビなどにレモンのスライスを添えていただきます。野菜を揚げたバージョンもあります。味も抜群で、ちゃんとしたレストランでも屋台でも(円錐状の袋に入れて提供してくれます)、あらゆるシーンで楽しめます。

この季節だけオープンするウォーターパークこと親水公園も夏に付きもの。スライダーや人工波のプール、水上ゲームが用意されているので、蒸し暑い夏の日を過ごすのに最高の場所といえるでしょう。

そして、夜更かし。子どもたちは冬の間は学校があるので、夜早い時間にベッドに入りますが、夏になれば何でもありということで、夜遅い時間でも親と一緒にお出かけしたりします。ベビー・ダンスのセッションや人形劇、サーカス、ビーチでの映画上映会やゲームなど、小さな子ども向けに企画されたイベントも盛りだくさんです。


夏といえば、遅い時間のビーチと、


子ども向けの野外人形劇

毎年夏の初めには、リグーリア州の村や町、とりわけ沿岸地域では、少しでもたくさんの観光客を呼びこもうとイベントが企画されます。イベントの大半は無料で、ホテルやレストラン、カフェのプロモーションのために開催されます。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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