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2025年1月1日(水):全館休業
※各店舗の年末年始の営業についてはフロアガイドよりご覧下さい。

  • 2024.09.13
  • ブログ リグーリア‐夏といえば・・・後編
前回に続き、リグーリア地方の夏の風物詩をご紹介します。
夏といえば…

ハーブや果物を使った、コーディアル・シロップ。
一年中売られている商品ですが、夏になればミントやタマリンド、サクランボ、バーリーウォーター(訳註:生の大麦をお湯で煮出してレモンバームやレモン果汁などを加えた飲料)にレモンなど、各種フレーバーがスーパーや街角の小さな商店に並びます。
無糖のものと加糖のものがあり、このシロップを水に混ぜてフレーバーウォーターにしたり、自家製のアイスキャンディーを作ったりするので、夏の人気商品です。おかしな組み合わせと思われるかも知れませんが、牛乳にミント・シロップを加えていただくのも、夏の定番です。


それから、クレーマ・ディ・カフェ(crema di caffé)も夏に欠かせない飲み物です。
カクテルみたいにシェイカーを使ってシェイクするのでこの名が付いた、夏だけ楽しめるドリンクです。ことコーヒーに関しては、イタリア人はとても保守的なので、カフェではアイスのカフェラテもコーヒー味のミルクシェイクも提供されません。たまにエスプレッソにリキュール(通常はコーヒーリキュールまたはグラッパ)を数滴たらしたカフェ・コレット(caffé corretto)が提供される場合もありますが、カフェでは基本的にエスプレッソかマキアートが無難な選択です。ですが、夏の間だけ「原則が緩和される」のか、フローズン・カプチーノのようなコーヒーと氷を入れてシェイクしたカフェ・シェケラート(caffé shakerato)や、より濃厚でクリーミーな味わいのクレーマ・ディ・カフェ(crema di caffé)も普通に注文できるようになります。

次は「聖なる8月」。
8月は休息の月とされています。オフィスや工場はほぼすべて休みとなり、製造スケジュールの都合でたとえひと月丸々とはいかずとも、8月の大部分、あるいは中旬の2週間は休業します。英語で8月を表す「August」は、言わずと知れたローマ皇帝のアウグストゥス(Augustus)に由来していて、この月の祝祭にはもともと宗教的な意味合いがありましたが、こうした側面は休暇やパーティのためにすっかり失われてしまいました。
この時期は誰もが休暇を取るので、病院の予約を入れるのも、車の修理を依頼するのも難しくなるのが常です。

夏といえば、スイミングプールも忘れてはならない存在です。
イタリアは南北に伸びる半島で、沿岸部が多く、ほとんどの地域が地中海に面しています。しかし、内陸部に住んでいるため、すぐにビーチに行けない人もたくさんいます。
リグーリア州でも、山の近くに住んでいる人たちは公営私営を問わず近所のスイミングプールを好んで利用しています。
水遊びや日光浴は夏に欠かせませんし、日焼けをするのが大好きなイタリア人は、できる限り肌を焼こうとします(私は違いますけれども)。
こうしたスイミングプールは屋外にあり、シャワーや更衣室が併設され、ライフガードも常駐していて低価格で利用できます。ビーチチェアやサンベッド、日よけのパラソルは別料金でレンタル可能。こうしたプールの多くは地方自治体が所有していて、自治体から何パーセントかの運営手数料を受け取って民間人が管理しています。


夜遅い時間の間食も夏のお楽しみのひとつです。
前回のブログでご紹介したとおり、若者や家族連れにとっても夜ふかしは夏の醍醐味です。ダンスに行ったり、なにか食べに出かけたり、ビーチで行われるショーや映画を観たりして夜遅くまで過ごします。ピッツァレストラン(pizzeria)が深夜2時まで営業していたり、あちこちにフードトラックや屋台などが出現したりするのもこのシーズンならではと言えるでしょう。
リグーリア地方でよく見かけるストリート・フードといえば、ジャガイモとタラで作るコロッケ、様々な種類のフォカッチャやジャム入りのクロワッサン、衣を付けて揚げて塩または砂糖を振った、しょっぱい、あるいは甘いフリッターなどがあります。
パンやフォカッチャなどを焼き、店舗やカフェに卸している工房、フォルニ(forni)が扉を開け放ち(高温になるため窓も開けています)、焼き立てのパンを一晩中、窓越しに販売してくれるのも夏の風物詩です。


夏はまさに魔法のような特別な季節!

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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