こうしたシステムは州全体で同時に変わるわけではなく、一部の町や県から導入が始まります(すでに開始されているところもあります)。近郊の町や村ではこの新しい戸別回収システムに関する説明会が順次開催されています。
私が住んでいる地域でも、リサイクルやゴミの捨て方を住民に周知する説明会が開催されました。会議形式の説明会では、リサイクル可能なものとそうでないものを記載した小冊子が配られ、予定されている変更に備えて住民に家庭ゴミの出し方が伝えられました。
一見、わかり切った、当然のことのように思えますが、みんなが知っているとは限りません。
新たなゴミの出し方は従来とは大きく異なるため、不安を感じる人も多くいます。
これまでは、個人がゴミを分別し、街中に設置されている指定の収集箱に入れていました。
紙や段ボールは白、プラスチックは青、乾燥ゴミや生ごみは灰色、ガラスや金属製容器は緑、寄付用の衣類やアクセサリー、玩具は黄色の収集箱に入れることになっていました。
このシステムが大きく変更されます。まず、街の中心部には、住民用の磁気カードでしか開けることができない「スマート」収集箱が設置されます。一方、郊外に住む人たちは「個人世帯」と「集合住宅世帯」に分けられ、12戸未満の建物の居住者が「個人世帯」、12戸以上の集合住宅の住人が「集合住宅世帯」となります。
「個人世帯」には、紙、プラスチック、生ごみ、リサイクルできないゴミ、ガラス用に色分けされたゴミ収集箱のセットが配布されます。回収日になると、通りから見えやすく、収集車がアクセスしやすい道路脇に収集箱を出します。回収が終わり次第、自宅で使用するためにできるだけ早く、各家庭に持ち帰ります。
一方、集合住宅には鍵付きの回収箱が設置され、これらの回収箱を決められた時間に出し入れする担当者を有料で雇うことになります。しかし、イタリアの人々はすでに高額なゴミ税を払っているので、これ以上の費用負担に反対する声も多く、大きな議論を呼んでいます。
新システムでは、収集箱は夜の8時から11時に出すことが定められています。運用開始時期は地域ごとに異なり、市の中心部では4月末にこの「スマートアイランド(Smart Islands)」制度がスタートしますが、人口密度の低い地域では6月末までに順次導入される予定です。
大きな変更点であり、議論の的となっているのは、生ごみの回収が週3回のみになることと、金属製の梱包材をプラスチックゴミと一緒に出す必要があることです。
また、リサイクルできない乾燥ゴミの回収は週2回だけになります。ガラスだけは従来通り、道路に設置された回収箱に捨てることができます。
粗大ゴミ(最大5点まで)の無料戸別回収は、予約制で市内全域において実施されています。予約した日時にドア前まで出す必要がありますが、家電製品、テレビ、PC、電子機器、家具、自転車、スキー板、大きな玩具、および通常のガラス回収では捨てられない鏡や強化ガラスなどを回収してもらえます。

色分けされたゴミ回収箱
