ジェノヴァで開催される花の展覧会、ユーロ・フローラ(Euroflora)に続いて開催されるこのイベントでは、リグーリア地方の村々が色と香りで彩られ、訪れる人々を今でも中世の美しさが残る石畳の路地や曲がりくねった通りへと誘います。
各村は、互いに想像力と創造性を競い合います。どの村でも住民たちは色とりどりの花やオーナメント、植物などで家の扉から通り、中庭、庭園までを埋め尽くします。これらの装飾が芸術的かつオリジナリティあふれる作品に息を吹きこみ、街を華麗に彩ります。その景色は訪れた人の目を引きつけ、さらに奥まで足を踏み入れたくなるような好奇心をかき立てます。

花が咲き乱れるボルジョ・ヴェレッツィ
各村では、村人のボランティアが訪問客を案内し、絵のような美しいビューポイントを紹介しています。さらに、村でもあまり知られていない場所を教えてくれたり、古い物語やエピソードを聞かせてくれたりするほか、現在まで地域に受け継がれてきた歴史的・伝統的なイベントについても説明してくれます。
1人で散策する人のために、村に伝わる物語の概要や、建物および歴史上の人物についての解説、花の展示に関する情報が書かれた案内板が設置されています。
このイベントの期間中は、ヴィンテージのリネンやウェディングドレス、昔の工芸品といったテーマに沿った展示も数多く開催されます。
このお祭りが意義深いのは、花がリグーリア地方の遺産と風景に欠かせない要素だからです。
ボルギ・イン・フィオーレには8つの村が参加し、それぞれが美しい花の装飾を披露します。各村の広場は色とりどりの作品で彩られ、まるで本物の魔法の庭のように変貌します。これらの装飾は、美と創造性の名のもとに、訪れる人々に忘れがたい経験を提供します。さらに、リグーリア州協会公式のSNSアカウントページには写真が掲載され、「いいね!」の数を競うオンラインコンテストも開催されます。
コンテストの勝者はこの「いいね!」の数によって決定します。
通常、花の作品は地元の才能ある花き栽培家が手がけ、彼らの作品により広場はリグーリア州花き産業の能力と専門性の高さを証明する場へと生まれ変わります。
ジェノヴァ市で花と言えば、イタリア随一の広さを誇り、ヨーロッパでも屈指の重要性を持つ庭園であるヴィラ・デュラッツォ・パラヴィチーニ(Villa Durazzo Pallavicini)の椿園を連想する人も多いでしょう。海辺のロマンチックなプロムナードからも近いペーリ地区では、現在、椿が再び豪華な花盛りの時期を迎えています。週末にはガイド付きツアーも実施される予定です。
前述の通り、8つの村が参加するボルギ・イン・フィオーレでは、リグーリア州観光局がリグーリア州花き産業と提携してSNS上でコンテストを開催し、地域内で最も美しい花の作品を表彰します。
このイベントには、各県から2つの村(通常は沿岸部と内陸部から1つずつ)が参加します。インペリア県からはチェルヴォ(Cervo)とペリナルド(Perinaldo)、サヴォーナ県からはボルジョ・ヴェレッツィ(Borgio Verezzi)とミッレージモ(Millesimo)、県都のジェノヴァ市からはサンタ・マルゲリータ・リグーレ(Santa Margherita Ligure)とサント・ステファーノ・ダーヴェト(Santo Stefano d’Aveto)、ラ・スペツィア県からはアメーリア(Ameglia)とヴァレーゼ・リーグレ(Varese Ligure)が参加します。参加するには一定の条件があって、環境教育基金(FEE)の国際環境認証であるブルーフラッグ(Blue Flag)かイタリア観光協会によるオレンジフラッグ(Orange Flag)を有していること、あるいは「イタリアで最も美しい村」に認定されていることのうち、少なくとも1つを満たしている必要があります。イタリアで最も美しい村とは、イタリアの小規模で美しい自治体を対象とした民間団体による認証制度で、加盟自治体はオンラインでも公表されているほか、村の入口には看板が掲示されています。

海水の透明度と美しさを示すブルーフラッグや、イタリアの小児科医が公表する子どもに優しいビーチの証であるグリーンフラッグについては、リグーリアでは頻繁に話題になります。一方、最近では内陸部の小さな村の観光品質を称えるオレンジフラッグについて耳にする機会がますます増えています。