• 2025.08.27
  • ブログリグーリア - 高校の選び方
夏と言えば楽しい夏休みですが、同時に自分自身を振り返る時間でもあります。イタリアの中学生たちは、この長く自由な時間(なんと6月中旬から9月中旬までの3ヶ月間)を「自分は将来何をしたいのか?」について考えることに費やします。
初めに、中学を卒業した後、職業訓練に特化した学校に進むか、それとも普通高校へ進むかについて考えます。
将来、法律や建築、医学など大学での教育が必須となる業界でのキャリアを希望するなら、普通高校への進学を目指すのが現実的な選択肢でしょう。とはいえ、「普通高校」とひとことで言っても、実際には6つの異なる分野に分かれており、その中から自分に合った進路を選ぶのは簡単ではありません。
イタリアの高校は、古典、科学、美術、言語、音楽・ダンス、そして人文学の6つの分野に分かれています。これら6分野の高校は全て5年制で、2年を一区切りとする課程が2回あり、5年目が最終課程となります。最終課程の後には卒業試験があります。
また、3年目からは卒業までに200時間の実務経験を積む見習い就業を始める必要があります。普通高校に進学した場合でも、卒業までに就業経験を積むことができるのです。

古典高校
古典高校は最も長い歴史を持ち、生徒はラテン語、古代ギリシャ語、イタリア文学、歴史、哲学といった人文学的な教科を学びます。
ジャーナリスト、ライター、教師、または弁護士を目指すなら、この学校を選ぶのがよいでしょう。

科学高校
数字や数学が好きなら、科学高校を選ぶとよいでしょう。
この学校は、数学や物理、化学、生物学、コンピューターサイエンスなどに特化しており、科学分野を専攻することで、経済、エンジニアリング、建築など幅広い大学進学先に対応した基礎学力を養うことができます。

外国語高校
世界を理解する上で最も重要なことは、外国語を学ぶことです。そのため、外国語高校はとても堅実な選択肢です。この学校では、外国語を母語とするネイティブ(その国で生まれ育った)教師によって複数の外国語の文法や文学を学ぶことができます。ラテン語に加え、3つの外国語を履修します。言語は学校によって異なりますが、アジアやヨーロッパの国々の言語を学ぶことができます。

芸術・人文学高校
この高校では、人文学が主な専攻分野となっています。歴史や美術、絵を描くことが好きで、将来考古学者やデザイナーになることを考えているのなら、この高校を選ぶのがベストでしょう。ビジュアルアーツ、建築、環境、デザイン、オーディオビジュアル・マルチメディア、グラフィックなど、様々な分野を専攻することができ、それぞれの分野を深く学ぶことで、将来その道で活躍するための最適な準備をすることができます。

音楽・ダンス高校
この学校では、音楽とダンスがカリキュラムの中心となっています。演奏や舞踊の技術的な習得だけでなく、それらが歴史や文化の中で果たしてきた役割についても学ぶことができます。入学するには、音楽やダンスの技術を評価する入学試験に合格する必要があります。

人文学高校
将来、教師や心理学者になることを希望しているなら、人文学高校へ進学するのがよいでしょう。学ぶ科目は人文学系で、他の高校では履修できない、人間の社会における行動を探る人類学や社会学、そして心理学などを学ぶことができます。一般的な専攻教科のほかに、社会・経済学専攻もあり、法律や政治経済科目を重点的に学ぶことも可能です。

特派員

  • パトリツィア・ マルゲリータ
  • 年齢申( さる )
  • 性別女性
  • 職業翻訳、通訳、教師

生まれはイタリアですが、5ヶ国語が話せる「多文化人」です。米国、ブラジル、オーストラリア、フランス、イギリスで暮らし、仕事をした経験があります。イタリアと米国の国籍を持っていますが、私自身は世界市民だと思っています。教師や翻訳の仕事をしていない時は、イタリア料理を作ったり、ハイキングをしたり、世界各地を旅行したり…これまで80カ国を旅しましたが、その数は今も増え続けています!

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