• 2020.05.21
  • 家で過ごす時間
サンパウロ市では3月20日から家にいるよう指示がでてから初めの1週間は、ホームオフィスをすることで家族それぞれが仕事場を決めました。私の家族の場合は長男が自分の部屋で、主人と私は時間帯を確認しあいながら、勉強部屋またはダイニングテーブを使用。オンラインでは相手と話すため、ある程度の間隔が必要になる。音声や画像を確認しながらの一週間でした。
私が住んでいるマンションでは新型コロナのための注意事項などが張り出され、ジムも人数制限がされました。その張り紙のすぐ横に、一人の住民が自分の名と携帯番号を書き、「もし高齢者の方で買い物に出かけるのが不安でしたら、自分が買い出しに行きます。遠慮なくご連絡ください」と書かれたものが貼ってありました。これはブラジル人的な考えであり、周りの事を考えての行動だと、関心しました。
ブラジルではLine よりもWhatsAppを利用している人が多く、1週目は新型コロナの情報ばかりが入ってくるうえ、ニュースは新型コロナの事ばかりで、少々気持ちが落ち込んでいきました。三食のメニューを考えるのも仕事になり、色んな料理に挑戦。成功した料理をWhatsAppのグループにアップして、お互いの料理をほめあい、アイデアをもらう。2週間目は食べてばかり。


マンションの周りは自動車数も随分減り、パトカーのパトロールを多く見かけるようになりました。人通りが少ないことで、携帯、財布などの盗難事件が多くなっていたからです。確かに近くのパン屋に行こうと出かけても、歩いている人は殆どいなくて、少々怖い感じもします。


3週間目に入ると新型コロナの感染者と死亡者も増えていくことで、この状態が長続きすることに気が付きます。市販ではマスクが無いため、友達は自家製布のマスクをつくり始めます。Youtube では色んな縫い方がアップされました。一枚平均10Reais (約US$2)でオンライン、インスタグラムの他、パン屋の会計場所などで売られるようになりました。そして、色んなお店のデリバリー情報が盛んに入ってきました。確かに、スーパーで果物や野菜に手が触れるのが気になってました。私が通っているスーパーは果物とお野菜の近くにアルコールジェルを置いてます。何度も使えるし、自分の手を消毒するので、安心です。それでも、買い物をして家に戻ってくると、まず、洋服を脱いでシャワーをします。髪の毛も洗います。それから、買い物を少しずつバックから出し、全ての品を消毒します。石鹸で洗えるものは洗い、果物などは消毒液に浸けた後、乾かします。スーパーに持って行ったバックも洗います。正直、スーパーで買い物するよりも、家に戻ってからの方が大変です。


家で料理を作るのも飽きてきた私は週末はケーキ屋のスイーツをオーダー、夕食にはピザや定食をオーダーし始めました。この頃から運動不足も気になり、トレッチや体操をYoutube で検索して、インストラクターと一緒に開始。身体を動かすと気分もアップ!
4週目に入るとサンパウロ州知事が自宅待機を5月10日まで延長します。サンパウロ市長は4月20日より、外出しなければいけない場合は自家製マスクの着用を勧めます。
いつもは時間が無くてできない事、棚の中の整理。語学の勉強。ピアノの練習などをし始めます。しかし、このころから家にいるのが疲れてきた人が増えたのか、スーパーも以前より人が多くなっていきます。マンションの広場で遊ぶ子供たちの声も聞こえてきます。州知事の判断は確かなのか。仕事場にはいつ戻れるのか。などと問う者や、運動を起こす者もいます。でも、私の周りでも知人がコロナで亡くなった話もあり、まだ収束できてないのが現状です。
先日病気で亡くなった親戚がいました。コロナではないのですが、人が集まる事を避けるため、通常のお葬式を挙げることができずでした。30分程の告別式が行われ、参加者はごく身近な者だけの10人程の参加でした。80年以上も頑張ってこられた人に通常のお葬式を行えず、また、このパンデミックがどれだけの人の心を痛めているかと、しみじみと感じました。

5週目を終えた4月26日。 ブラジルで、死者4,205人、感染者確認数61,888人。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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