• 2020.08.06
  • 久しぶりに思いっきり太陽を浴びる
ブラジルでのコロナの感染者が増える中、サンパウロ市はちょっと落ち着いてきているようです。ずっと閉まっていた店舗やショッピングセンターも6時間営業できるようになりました。デリバリーだけのレストランも色んな制限内で、午後5時まで開けられるようになりました。ずっと閉まっていた公園も平日はオープンしてます。しかしちょっとホッとしている反面、感染者がより増えるのではないかという不安もあります。
私も何カ月も思いっきり太陽を浴びていないので、先日主人の親戚のSitio (シチオ)へ日帰りで遊びに行ってきました。



シチオとは5~40アルケールの小さな農場の事です。アルケールというのはこちらで農地の面積を表す単位であり、1アルケールは24,200平方メートルに相当します。
ブラジルに来た日本人移民の多くはコーヒー農園を後にし、農地を所得して自作農となったり、移民同士で資金を出し合って農地を購入し、農業組合を形成しました。そのような小さな農地の事をシチオと呼びます。日本人移民はシチオで野菜や果物を栽培し、ブラジルの土や気候に合わせて、品質のより良い農産物を開発してきました。現在、多種類の野菜や果物があるのも、日本人移民の努力のおかげといえるでしょう。甘柿、ポンカン、イタリアンぶどうとふじリンゴは代表的です。

今回私が遊びに行ったシチオはサンパウロ市から車で1時間ほどの場所です。このシチオは主人の祖父と祖母が所得した地です。当時大勢の子供たちを育てながら、色んな野菜を栽培し、販売して生活をしていたそうです。子供たちが独立するようになってからは、街の方に家を建て、シチオは週末に親戚が集まって過ごす別荘として使い始めました。
祖母が生きていた間は相変わらず色んな野菜が植えられてました。みょうが、かんぴょう、ヨモギ、大豆、タケノコ、ケール、ザクロ、アボカド、ミカンなども。そして、柿の木もたくさんあり、4月になると柿狩りが楽しみで親戚が大勢集まりました。
周りはゆうかりや松の木に囲まれていて、このシチオの田舎の風景が落ち着きます。色んなトーンの緑が見れて、空気も良く、太陽もより輝いてます。
桜の木も植えてあり、毎年鮮やかな色で咲きます。



祖母が亡くなってからは野菜の手入れをする人がいなくなり徐々に野菜も減っていきました。シチオに遊びに行く親戚も減りましたが、田舎の感じは全く変わってなく、ゆっくり過ごせます。現在は土地の番をするブラジル人家族が住んでいて、大家の掃除や芝生などの手入れをしてくれます。

小さな農場の事をシチオと呼びますが、現在はシチオを持っている人の多くは街に住んでいて、週末だけシチオで過ごす人が多いようです。自然の中でくつろぐ場となっていて、馬を飼っている人もいれば、池があって、釣りをする人もいます。
勿論、以前のように小農場として生活を立てている人もいます。

このパンデミックの状況の中、街に住んでいる私は殆ど太陽を浴びずに過ごしているので、シチオで過ごした一日が最高でした。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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