• 2020.11.27
  • ポルトガル語
全世界でポルトガル語を公用語とするのはブラジル、ポルトガル、アンゴラ、カーボベルデ、ギアナビサウ、赤道ギニア、モサンビク、サントメ・プリンシペ、東ティモールとマカオの10か国です。約2億5000万人の話数者がいて、そのうちブラジルの人口は2億人ですので、ブラジルのポルトガル語を話す人が圧倒的に多いのです。大航海時代にポルトガルがブラジルを植民地化し、南米ではブラジルだけが公用語がポルトガル語となりました。他の南米の国々はスペイン語です。しかし、ブラジルの原住民の言葉の影響があり、ブラジルではポルトガルで話すポルトガル語と多少違ったポルトガル語を話します。日本ではブラジルのポルトガル語を教える本の方が多いと知りました。それは、移民の時以来、日本企業もブラジルに多く進出しているためでしょう。ブラジル語やブラポルと呼ばれているようです。私は先日、サンパウロ市の本屋に行ってポルトガルで話すポルトガル語の本があるか聞いてみましたら、店員が不思議な顔をして、どうしてブラジルにいるのにポルトガルで話すポルトガル語の勉強をしたいのかと反対に問いかけられました。店員の話ではそういう本は輸入しないと無いそうです。


ブラジルで話すポルトガル語とポルトガルで話すポルトガル語の違いを3つの点で比べるてみます。1つ目は単語です。例えば、携帯の事をこちらではcelular と言い、ポルトガルではtelemovel 。バスの事はônibus 、ポルトガルではautocarro。アイスクリームは sorvete、ポルトガルでは gelado。単語が全く違います。2つ目は発音です。ブラジルでは母音をはっきり発音するのに対して、ポルトガルでは、母音によってはほぼ発音しないことが多いです。そのせいか、口を大きく開けずにこもった感じで話しているようです。希望という意味のesperançaはこちらではエスペランサと発音するに対して、ポルトガルではPの後に来る母音を抜くかのように発音します。 esp´rança 。 一部を意味するpedaço(ペダソ)も同じです。ポルトガルでは p´daço 的な発音をします。3つ目は文法です。2人称単数の「あなた」の事をvocêと言い、tu はほんの一部の地域でしか使用されていませんが、ポルトガルでは友達にはtuを使い、改まった形はvocêです。文の中で、目的代名詞が動詞の前の位置に来ることがあるのがブラジルです。その他にも細かい色んな違いがありますが、どちらかを勉強すると困ることはないと思います。


2005年に7万1314人のブラジル人がポルトガルに住んでました。その10年後の2015年には16万2190人に増えてました。ブラジル人が他国へ出稼ぎや新たな生活を求めるのに、まず言葉の壁が無いポルトガルを選びます。その上、あちらでは失業者が少ない事と、国民保険システムがとても良い事がメリットです。2009年にはポルトガルの経済が低下したことで、ブラジル人も一部戻ってきましたが、未だブラジル人にとってはヨーロッパの国々の中でもポルトガルが住みやすいようです。そんな影響で、ポルトガル人はブラジルのポルトガル語を聞き慣れていて、より理解できるそうです。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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