• 2020.12.28
  • 新型コロナ第1波を乗り越えていない
今年の3月からブラジルでも新型コロナ感染者がでて以来、ブラジルでの新型コロナの情報をお届けしてきました。最後に書いたのは7月だったでしょうか。マスク着用、アルコールジェルの使用と人とは最低1.5mの距離を置いて会話をする事が最も重要であることを繰り返し聞き、一時は不安と恐ろしさで家から出るのも嫌でした。4月末にはサンパウロ市内でも緊急病院がサッカー球場や体育館に設けられましたが、9月末には全てが閉鎖しました。9月の初めから感染者数が減り、レストラン、ショッピングセンター、美容院、ジム、店舗が色んな制限の元に開きましたが、1カ月程はお客さんも少なかったようです。近所を歩くと、「貸します」というプレートが掛かれた店が多く、閉店または移転したようで、長年通っていた店内がガランとしているのを見るのは今でも心苦しいものです。



10月中旬には朝夕と道路も混雑し始め、いつもの活気的なサンパウロ市に戻りつつある気がしてました。人々の表情も少々明るくなり、これ以上はじっとしていられない感じで出歩くようになりました。小、中学校は3月から今でも授業はオンラインですが、週に2回程2時間学校に行って、5科目以外の授業を受けられます。



私も3月以来初めてレストランへ外食したのが10月上旬でした。店内はテーブルの数が少なく間隔を随分とってました。店員はマスクとフェイス・シールドをつけていて、薄いゴム手袋も使用していました。各テーブルに向かう度にアルコールジェルをつけていました。真っ先に気が付いたのがメニューが出されないことです。テーブルに置かれたQRコードでメニューを見るようになってました。なるほど、メニューは皆が触りますものね。食べる時はマスクを外すため、少々緊張した夕食だった事を思い出します。

新型コロナワクチンが来年早々に出来ると前向きな情報が毎週のように流れ始めました。実際にブラジルではOxford, Sinovac, BioNTeck /Pfizer, Janssen-Cilagの4種類のワクチンの第3相試験が行われており、多くの医療専門家とボランティアが参加してます。サンパウロ州はSinovacが開発した新型コロナワクチン、CoronaVac を11月19日に12万分を受け取りました。また、年内に600万分が届く予定です。ANVISA (ブラジル国家衛生監督庁)の承認を待つばかりです。
ワクチンのニュースが流れると、自然にもうすぐ収束するのではないかという思いと、7カ月以上もほとんど友達とも会わず我慢の限界で人々をより外出させ、中には路地でマスクを着用しない人も増えてきました。ブラジルは年末には家族や友達との集会が多く、クリスマスプレゼント交換をする習慣があるため、外出も多くなります。
11月末には予想していたかのように、サンパウロ市、ポルト・アレグル市、クリチバ市、リオ・デ・ジャネイロ市とサン・ルイス市での感染者数が増えました。サンパウロ市では入院者数が18%も増えたようです。州知事は対策として、サンパウロ州の飲食店の営業時間を再び一日10時間に制限して閉店時間は22時にしました。
ブラジルでは新型コロナ第2波と言っている人もいるが、医師の話では、ブラジルは新型コロナ第1波の死者減少のペースが遅いため、まだ第1波を乗り越えていないとの事。
現在はまた一歩下がった状態で、年末年始を迎えることになります。新型コロナの一日も早い収束を願うばかりです。

特派員

  • 皆木サンドラ 奈美
  • 年齢辰(たつ)
  • 性別女性
  • 職業語学教師、ペーパートールクラフター

ブラジル生まれのブラジル育ち。大学卒業後、夫の仕事の関係で3年間滞在したシンガポールにおいて習得したペーパートール(=シャドーボックス)や語学を教えています。多国の文化や習慣を上手に混在させているサンパウロでの生活がとても気に入っています。

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