今回は皆さんにブラジルの民芸品をいくつかご紹介したいと思います。
木材で作成された動物のオブジェやアクセサリー、アクセサリー入れなどです。大雨の時期にアマゾンではたくさんの木が倒れます。その木材で隣のパラ州でいろんなオブジェを作成しています。同じ木でも色のトーンが違ったり、薄茶色から赤色までいろんな色の木があるので、シンプルですが、木材の色を活かしたデザインの品があります。


カッピン・ドウラードとは黄金の草のことです。ブラジルの中部のトカンチンス州ジャラポン地域が本場です。軽くて金色に光るこの草を編んでピアス、ブレスレット、小物入れ、帽子、大きなものはバックなどを作成しています。ナチュラルですが、光沢があるのでおしゃれです。この民芸品は世界各国へも届けられているとのことですので、皆さんもご存じかと思います。

ブラジルの北東部ではヨーロッパからの移民とともにいろんなレース編みの技法がもたらされました。ポルトガル語でレースをrendaと言います。私がとても気に入っているのはルネッサンスレース(renda renascença)です。16世紀にヨーロッパで盛んにレースが編まれていたために、この名になったそうです。とても細かい作業で、大きな作品には数人が取り組み、完成するまで数か月かかるそうです。とてもデリケートなレースです。

他にもRenda Filéがあります。フランス語でFiletとは網という意味で
網目の上に刺繍がされているので、そう名付けられました。白一色で作成された品や、カラフルな色のもあり、どれも素敵です。麦わらで作成されているのもあります。


Renda de bilrosは、ボビンレースのことです。型紙を特別なクッションの上に置き、絵柄にピンを打ち、ボビンに巻いた糸を交差させながら織り込んでいく技術です。主に細い綿の糸を使用していますので、仕上がりはレースの透明感を出しています。

種で作成したブレスレットやネックレスも多くあります。デザインの多くはインディアンの影響が大きいです。インディアンにとって種は命の増殖と言う意味があり、とても大切に使われているそうです。特にアクセサリーに使用されている種がアサイ、ブリチ、ジャリナなどです。最近お店で見つけたのは、モロトトという木の種で作成されたネックレスでした。

ブラジルの北東部の文化や人々の習慣を表現するオブジェが粘土で作成されます。パンタナール地域に生存する鳥や動物の木彫りも多いです。



サンパウロ市内でも民芸品店があり、そこにはブラジル全国から集めた民芸品があります。現地では販売されているのを見なかった品もありますので、店内ではテンションが上がります。手の込んだもの、カラフルなもの、かわいいものなどと、本当に面白いです。
今回はほんの一部の紹介でしたが、ブラジル大地の自然素材を活かした多くの民芸品はまだまだたくさんあります。昔から多くの人々の生活を支えてきたものです。時の流れの中で磨かれた技術や作り手の思いなどを考えると、民芸品はとても価値あるもののように感じます。