• 2018.10.30
  • オーストラリアの医療あれこれ
今回はオーストラリアで生活するにあたり、医療機関はどのようなしくみになっているのか、また私が実際体験した事をお話をさせていただきます。

オーストラリア国民はもちろん、永住権(Permanent Resident )ビザを所有している人、ニュージーランド市民権を持ちオーストラリアに居住している人、また一部の外国からの訪問者はMedicare という日本の国民健康保険のような保険に自動的に加入されます。

Medicareはオーストラリア政府が運営する医療補助制度で公立の病院やGP(Genaral Practitoner)という一般開業医での医療費が無料になったり(一部自己負担のGPもあります)、メディケアからの一部補助で医療費や薬代が安くなります。メディケアの利点としては、公立病院であれば入院費や治療費が無料となりますので、出産をする際もすべて無料となります。

薬は一般の薬局で購入する仕組みになっており、お医者さんやGPからの処方箋を提出し購入します。その際、安いブランドのもあるけどどちらがいい?と聞かれます。例えば同じ成分の抗生物質でも安い商品を選べるという選択肢もあるのです。

日本と違い歯医者は全額自己負担なので、虫歯一本の治療にも$150-200(日本円約13000円前後)かかってしまいます。以前親知らずを抜くにあたり、レントゲンで見たところ、複雑でまっすぐに生えていなかったため、歯科医よりもさらに専門の歯科医?を紹介してもらい$550(日本円約46000円)を支払い抜いてもらいました。かれこれ10年以上前なので、今はもっと高額になっているかもしれません。また、こちらもだいぶ昔になりますが、不整脈持ちのため、一度専門医に調べてもらおうと思い、GPに行きました。オーストラリアでは専門医へ行く時も必ず先にGPに行き症状を伝え、GPから推薦状をもらって行くという少し面倒なシステムになっているのです。専門医を紹介してもらい、調べに調べて、結局原因がわからず、言われたのはマグネシウムを摂ったほうがいいよという結果で終わりました。医療費は合計$1100(日本円約93500円)でした。このようなこともあるので、オーストラリアでは約57パーセントの人がプライベート保険(民間の任意保険)に加入しているそうです。任意保険もオプションの有無で値段も様々ですが、決して安くはありません。

オーストラリアでは日本の企業に勤めていると無料でできる健康診断のようなものがないですが、政府が乳がん、子宮頚部がん検診を2年に一度行うよう呼びかけており、こちらの検査もGPにて無料で受けられます。2年経つ頃には、そろそろ検診をして下さいといったお知らせの手紙も届きます。大腸がん検査も無料で行っています。また、日差しが日本の6倍以上のオーストラリアでは皮膚がんの発生率も日本とはけた違いに多いので定期的に皮膚がん検診を受ける人も多いです。余談ですが、日本ではサングラスをかけているのは時と場所によってはNGな場合もありますが、オーストラリアでは結婚式やお葬式などの冠婚葬祭でも屋外の時はサングラスをかけていても失礼ではありません。それよりも紫外線から目や肌を守るほうが重要なのです。

そして、日本よりも全身麻酔率が高いことに驚きました。胃カメラを飲むにも全身麻酔をします。私も日本では部分麻酔の治療なのに全身麻酔で治療を受けたことが何度かあります。

日本のように専門医に直接行くことができなかったり、歯の治療も高額だったりと何かと不便がありますが、そのおかげで日頃から歯のケアや健康管理には特に気を付けるようにしています。健康第一ですね。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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