• 2019.11.26
  • オーストラリアで通信教育:その2
Accounting &Bookkeeping (会計、簿記)の資格を通信教育で取得するにあたりその1では勉強を始めるまでの手順などをご紹介しました。資格の勉強をするための適性試験に合格し、いよいよスタートです。このコースを修了するには合計13個のユニット(科目)をパスしなければなりませんでした。郵送で届いた合計15冊の教科書は積み上げたら30cmほどの高さになる厚みで気が遠くなりました。各科目には数字とアルファベットを組み合わせたユニットコードというコードがあります。これは国が指定したオーストラリア全国共通のコードで、このユニットコードの学習内容基準に沿って各学校はテキストブックを作成し授業を行います。通信教育なのでどの科目から初めてもいいのですが、一応この順番で進めていくとやりやすいという学校側のお勧め順序がありました。会計、簿記についての基礎と、その法律について、エクセルやワードを使ったレポート作成から実際に会計ソフトウェアを使用していく実践的な科目の順序で並んでいます。学校のウェブサイトにはクラスルームレコーディングという、実際に学校へ通ってこのコースを受けている生徒の授業を録画したものがパソコンで観れるようになっています。どうやって勉強を進めていっていいかもよくわからなかったので、テキストを読み進めていくよりもまずはこれを観ていくことにしました。長いものは途中休憩が入り合計3時間半のレコーディングもありましたが、いつでも観れていつでも止められるので自分のペースで勉強を進めることができます。クラスルームレコーディングはその場で質問ができないだけで、実際に教室で授業を受けているのと変わりません、逆に聴き取れなかった部分やもう一度聞きたい場合には再度再生できるのでその点で便利でした。質問はすべて電話かメールになります。細かいことを質問する場合はメールで添付書類を付けて質問するほうが、電話でテキストの何ページのどこどこの。。と説明していくよりもお互いスムーズにやり取りができました。私が申し込んだ学校はパースにあるので、私の住んでいる所と3時間の時差があり、その点でも電話よりもメールでのやり取りのほうが便利でした。回答は早い時ではメールを送ってから2時間以内、遅い時は3日後の時もありました。どうしても早くに解決したい問題や質問があった場合は電話をしていました。各ユニット(科目)に合格するには、まずはウェブサイト上の20問のテストにパスし、その後アサイメント(提出課題)にアクセスすることができ、アサイメントを提出し、全問正解し始めて合格という手順になります。ただしアサイメントは再提出(最高3回まで)ができるので間違えたとしても先生がどこが間違えたかを指摘してくれるのでその間違えた問題だけを再提出し、最終的に全問正解にすればよいのです。アサイメントは質問に文章で答えるものから、計算やグラフ、表などを埋めていくもの、ビジネスレポート作成、会計ソフトウェアから作成した書類提出などがありました。計算などの答えが一つしかないものは良いのですが、ビジネスレポートを作成したり、質問に文章で答えるもののほうが私にとっては大変でした。一科目あたりのアサイメントの量も思っていたよりも多く、完成させるまでに平均3-4時間はかかります。しかも教科書に載っていない質問や課題も多く、Googlもたくさん利用しました。オーストラリアは人口が少ないのでGoogle検索してもアメリカやイギリスのサイトが多く表示されてしまい、情報がまだまだ少ないためその点でも苦戦しました。そんな中、精神的に助けられたのはこの学校が立ち上げているフェイスブックのグループページです。私と同じコースを通信教育で受けている生徒達が投稿でき、生徒達が課題について質問したりそれに答えたりみんなで助け合うことができます。ただし課題の質問の答えを直接投稿してはいけません。テキストのどの部分をもう一回読んでみてとか、答えが出るまでの計算方法を教えてあげたり、これはそこまで細かく答えなくても大丈夫だよなどといったアドバイスができます。あまり行き過ぎた投稿や趣旨にそぐわないコメントがあると運営側の学校が注意をしてきます。このページを見て私のように不安を抱えている生徒がたくさんいたり、「問題の質問の意味が分からない、誰か助けて!」とコメントしている生徒達がいるのを知り、不安なのは私だけじゃないんだ、質問の意味が分からないのは私の英語の問題かと思ったけれど英語が母国語の人でもこんなに苦戦しているのだから私が出来なくても当然だ、と少し安心し、不安が取り除かれました。一番最初のユニットのアサイメントを提出し、結果が返ってきました。もちろん最初から全問正解ということにはなりませんでした。合っているか自信がなかった答えが正解だったり、逆に自信があった答えが不正解といった具合でした。採点してくれた先生が間違えた問題の質問内容をさらに具体的にしてくれたので、ここで初めてこんな感じで質問に答えればいいんだ、このやり方だといけないんだ、といったコツをつかみ、2回目の再提出のほうが効率よく勉強することができ、それからは提出課題がどんどんはかどりました。中には一回で合格した科目がありとてもうれしくなりました。残り10科目、6科目とどんどん減っていくのまたもうれしくなっていきました。
長くなりますが、またその3で続きを紹介させていただきます。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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