• 2020.06.01
  • オーストラリアの新型コロナウィルスの拡散防止対策と人々への影響
オーストラリアは新型コロナウィルの感染拡大防止の対処が速かったため、日毎に感染率も減っています。海外からの渡航者の入国も早い段階で制限され、海外だけでなく、国内では他州への移動も禁止されました。食料品店やガソリンスタンド、病院など必要不可欠なもの以外のレストランやカフェ(テイクアウト以外)、ビューティーサロン、ジム、娯楽施設などは3月中旬に閉鎖されました。ソーシャルディスタンス(人との距離)も1.5メートル以上あけるよう政府が推奨しています。自宅から仕事ができる人は在宅ワークになりましたがそれも一部だけのことで、4月上旬の時点で約78万人の人が職を失いました。これに対し政府は、企業に対しては事態が収まった時に少しでも早く元の状態に戻れるよう、従業員も解雇しなくて済むように従業員の給与の補助を行い、失業者に対しても金銭で補助を行っています。
人々の普段の生活への影響はというと、オーストラリアも日本同様、一時期トイレットペーパーの品薄が続きました。ここ最近ようやくスーパーでも手に入るようになりましたが微妙に割高になっています。トイレットペーパー以外にも色々なものが品薄や品切れになりました。食料では、小麦粉、パスタ、お米、そして少し遅れてトマトの水煮缶が品薄になり、スーパーでも一人2個までと制限しているところもあります。食べ物以外は、ハンドサニタイザー(除菌ジェル)や、使い捨てゴム手袋、ハンドソープなどが品薄になっています。私はトイレットペーパー騒動の際に、他に無かったら不便なもを考えた際、電球や電池はどちらも中国産ですし、こういう時に限って電球が切れると困るなと考え一つだけ買い足しましたが電球や電池がなくなることはありませんでした。外出自粛で運動不足になりがちで、ジムも閉鎖されているため、ウェイトや縄跳びなどのジム用品も売れていて品薄になっているそうです。この前のテレビのニュースで “自転車が’次のトイレットペーパーか!?”という見出しで、自転車も品薄になっているとのこと。自転車だとソーシャルディスタンスを保つこともできるし、エクササイズも兼ねられるのであえてこの時期に買う人が増えているそうです。感染拡大を防ぐためにスーパーでは入口に警備員を配置し人数制限をしているところもあります。レジ待ちの列には床に立ち位置用のシールが貼られており、間隔をあけて待つような対策が取られています。この前、専門医で検査をする際に必要な、医者からの推薦状をもらいに一般開業医(オーストラリアではGPと呼びます)へ行ったのですが、予約の時点で風邪などの症状はないか、熱はないか聞かれ、受付ではマスクを持っているか聞かれ、無ければ何か覆える布を使うか、もしくは隣が薬局なのでそこでマスクを買ってこないとここでは診察できないと言われました。日本だったら病院に行く際は必ずと言っていいほどマスクを着用していくと思いますが、オーストラリアではマスクを着用する習慣がない為、私が待っている間でもマスクを着用してきた人はほとんどいませんでした。私も油断をしており持参するのを忘れていたので隣の薬局で1枚$2.50で購入しました。薬局のレジカウンターの前の床にもソーシャルディスタンスを保つための線がテープで引かれており近づき過ぎを防止しています。レジの女性はピンセットでマスクの端っこをつまみ、お互い離れているので手をのばして受け取りました。支払いも200円ちょっとですが現金は受けつけておらずカードのみ。カードをかざすだけで決済ができるので店員さんもカードを触らずにすみます。なんだか自分が菌持ちの汚いもののような感じがしてきますが、それくらい慎重でいてくれて助かります。オーストラリアは幸い土地も広くソーシャルディスタンスも保ちやすいですが、日本や他のアジア圏の国では難しい場合もあるかと思います。一日でも早く終息して元の生活に戻れるよう、それまで皆が安全に暮らせるよう心から祈っています。



現金を触ることでの感染拡大を防ぐためにカード決済を推奨しています。



スーパーマーケットや薬局でのソーシャルディスタンスを保つためのレジ待ちの立ち位置用シール。



(左):なぜか小麦粉が長い間品薄です。
(右):使い捨てのゴム手袋はこの日は売り切れでした。オーストラリアではこの使い捨て手袋をして出かけている人を良く見かけます。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

菅沼 千栄子(旧姓 名倉)の記事一覧を見る

最新記事

おすすめ記事

リポーター

最新記事

おすすめ記事

PAGE TOP