• 2023.05.31
  • 今どきのワイン
オーストラリアはワインが美味しいことでも有名です。
私のお気に入りは、アデレードのバロッサバレーのシラーズやタスマニアのピノ・ノワール、お隣のニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランの白ワインなどです。他にもおいしいワインはまだまだたくさんありますが、今回は、私が最近気になっているワインをご紹介します。
日本でも流行ってきているかもしれませんが、「オレンジワイン」と呼ばれるワインや「Pet Nat」など、「Lo-Fi」というカテゴリーに入る自然派のワイン達。
「Lo-Fi」とは、もともと音楽のレコーディングの録音状態からきている言葉で、反対語の「Hi-Fi」が高音質なのに対して、Lo-Fiはわざと雑音などを入れたりしてアナログっぽく、生っぽく?仕上げている音のことを言います。そこからとっていると思うので、Lo-Fiにカテゴライズされたワイン達は、きれいにろ過されることなく、できるだけ自然の製法で発酵させて作られたワインということでしょうか。Lo-Fiの音楽とワイン、とても今の時代っぽいですよね。
「オレンジワイン」というと、オレンジから作ったワインを想像してしまうかもしれませんが、色がオレンジ色なのでオレンジワインと呼ばれているだけで、他のワインと同様のぶどう酒です。ただ、製法が、白ブドウを赤ワインを作る時の製法で作るので、一般の白ワインは、皮や種が取り除かれて透き通った色をしていますが、オレンジワインは赤ワインのように、皮や種を取り除かずに発酵させて作るので、うっすらとオレンジ色になるのです。瓶の底にもおりが溜まっているものもあります。
オレンジワインの特徴は、通常の白ワインよりも防腐剤を減らして(または無しで)作ることができるので、ワインの防腐剤が苦手という人にも人気を集めています。そして、通常は冷やして飲むので、夏場の暑い時期にもぴったり。お肉料理にもシーフードにも意外と何にでも合うところも気に入っています。白ワインよりもタンニンが多く含まれているのでポリフェノールも多く含まれ、ちょっと渋みもあるので、赤ワイン好きの人にも好まれるのではないでしょうか。
ずっと前から気になっていたワインの防腐剤。ビールや焼酎や日本酒などを飲んだ後と違い、頭痛がすることが多いのはもしかしたら防腐剤のせいかなと思う時があります。
オーストラリアには防腐剤無添加の赤ワインはあるのですが、白ワインはその製法からしても防腐剤無添加というのは作るのも難しいようでほとんど出回っていません。あったとしてもなんか味が微妙だったりします。
そして「Pet Nat」ペットナットとは、自然発酵によってできた微炭酸のワイン。あえて酵母などの澱を残したりしてできるだけ自然の製法で作られたワインです。
オーストラリアの最大酒屋のチェーン店「ダンマーフィー」ではどんな種類のものが売っているかチェックしてみました。
オレンジワインを扱ってる酒屋さんでは時々日本製のものもあり、もしかしたら日本のほうが早くから注目されていたのかもしれません。
かなり広い店内でもLo-Fiワインのコーナーはほんの一角。棚にちょこっとあるのみで、赤や白、スパークリングの膨大な数に比べたらまだまだ種類が少ないです。
カテゴリーが「Lo-Fi」となっているワインコーナー。


Lo-Fiワインのラベルは自由でおしゃれな今どきっぽいものが多いのも特徴。

価格は安いもので10ドル代、高いものだと45ドル位と幅広いですが、だいたいが$25-35のものが多く、普通のワインよりもちょっと高め。
色々試してみたいのですが、防腐剤が少ないまたは無添加なため、一度開けたらできるだけ早く飲み切ってしまわないと味が落ちるという点で、一人で一本も飲み切れないので(飲もうと思えば飲めますが笑)なかなか出番がないのも事実。
飲み切ってくださいねと言わんとばかりにボトルの栓がビールの栓ようなギザギザの王冠になっているものもあります。
店員の方にオレンジワインを含め、Lo-Fiワインについて色々説明してもらい、よかったらどれか味見してみる?と言われたら断るわけがない笑。


試飲させてもらったペットナットのワイン
王冠の栓タイプなのに開けてくれて気前がいいです。

発酵された炭酸なのでマッコリのような微炭酸かと思いましたがけっこう炭酸が効いていました。タンニンの渋みがあり、甘さはほどんどなく、正直これは好き嫌いが分かれる味かもしれません。オンラインのレビューをみたら、「こんなにまずいワインはない、Covidで味覚障害になっている人なら飲めるかも」というかなり辛口のレビューを書いてる人もいたくらいでした。
よくあるスパークリングワインを飲みなれている方だと一瞬抵抗があるかもしれませんが、飲み続けたら好きになっていく味かなとも思いました。
防腐剤をいれて、飲みやすく美味しくつくることを重視していた時代から、できるだけ自然の製法で、でもちょっと癖があって、ひと昔前だったらただまずいだけで売り物にもならなかったようなワインが今の時代になって注目されているのかもしれません。
ワインは奥が深いでね。。
これからLo-Fiワインも色々試してみておすすめのブランドなどもご紹介したいと思います。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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