• 2024.09.20
  • オーストラリアの物価高にどう対応する?
オーストラリアでも物価高は深刻な問題となっています。以前のブログでも家賃がどれくらい高いかの記事を書きましたが、家賃もまだまだ上がる一方。私の家も4月から月4万円ほど値上げをしました。日本では食品などが10円、20円値上がるくらいでもニュースで報道されていますが、オーストラリアではそのくらいの価格上昇ではニュースで報道されません、値上げ率もそんなものではないからです。ポテトチップスもここ2年で一袋350円位だったものがさらに150円から200円位値上がり、今では一袋5~600円するほどです。家賃も食品も生活用品もどんどん値上がり、こんなに物価が上昇してどうやって生活していこうと皆頭を悩ませているのです。オーストラリア人は日本人のようにあまり貯金をしない傾向であるように思います。また収入に対して家賃やローンの割合も大きい世帯が多いと思うので、そうなると貯めていたお金を使うこともできず、毎日の生活費をいかに安くしていくかが課題になってくるのです。
そんな物価高の中、政府や各機関は国民の負担を少しでも減らせるような対策を取っています。オーストラリアの最低賃金も今年度の7月1日からAU$23.23からAU$24.10ドルに引き上げられました。また、一部の所得税も今年度2024-2025年から引き下げになりました。
また政府や州政府が電気代の補助金を出したのも物価高対策の一つで、クイーンズランド州は今年度(2024-2025年度)AU$1000分の電気代補助金を各家庭に支給しました。オーストラリアでは電気会社を自由に選ぶことができるので、この補助金は各電気会社が顧客にAU$1000分のクレジットを割り当ててくれます。月払いにしたり3か月に一回など支払いサイクルも自分で選べるのですが、最終的にAU$1000分を使いきるまで割り当てられる仕組みになっています。ちなみに我が家の電気代は、エアコン無し、ガス利用なし、2LDKで私は在宅ワーク、2人暮らしですが、ひと月約$130(約13000円)くらいでしょうか。ここ最近2年半くらいは一人暮らしで月$95(9500円)位です。日本円で言うと$1000は10万円位なので、この補助金で我が家の電気代約10か月分を支払わなくていいことになるのでとても助かります。

その一方、オーストラリアの最大スーパーマーケットのコールス、ウールワースの信頼度が低下していることが調査でわかったそうです。その理由はこの物価高にもかかわらず、商品の価格をどんどん上げ、2024年は過去最高の利益を出したそう。この物価高の波に乗り価格を上げすぎているのではないかという不満の声も消費者からあがっているのです。
オーストラリア人はあまり貯金をせず、節約が得意でない傾向がありますが、よく言えばどんぶり勘定で細かい事を気にしない大らかな人が多いのも事実です。オーストラリアでは燃費は悪いにもかかわらず4WDなどの大型車が人気ですし、自炊もするけれど外食やUber Eatsでの出前をする頻度も日本の家庭よりも多いのではないでしょうか。車などの大きなお買い物はローンを組んで購入することが一般的です。実際、金融機関でもローンを一切組んでいない人のほうが信用を得るのが難しくなる場合があります。しかし、この物価高でうまくやりくりしていかないとローンの返済も難しくなってくるという問題も出てきてしまいそうです。支出に優先順位を設定したり、自炊や節電など物価高対策に取り組む人も増えてくるのか、どう対応していくのか、これからの動向を注視してみようかなと思います。

特派員

  • 菅沼 千栄子(旧姓 名倉)
  • 職業会社員

2000年に渡豪。日系旅行会社勤務等を経て、2014年から現地建設会社に勤務。休日は、趣味の一つであるソイキャンドル作りやビーチウオークを楽しんでいます。当地のレアな生活情報をお伝えしたいと思います。

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